【文スト】Petit morceau de la mémoire

vingt. ページ21

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時はあっという間に流れ、僕は成人した。



髪も、相変わらず肩甲骨あたりまで伸びている。

…まあ特に意味は無いけれど。






「…は？どうせいるんだろ？邪魔しないでくれる？」

ナサ「ですが、…」




僕を抑えようとする彼を振り払い、僕は長い廊下を歩く。




相変わらず僕は団長補佐をしていて。

…相変わらず、あの男(団長)との関係もあるが、別に彼の奥さんとの仲は良好なわけである。





ナサ「Aさん、いけません」

「…何がだ、ナサニエル。どけよ」






僕より2つ歳上の彼は、やたらと僕の邪魔ばかりしてくる。

…まあ、団長に気に入られたいのだろうけど。





ナサ「今、あの方は大事な仕事中です」

「だから何？それが僕に関係ある？」




僕の前に立ちふさがる彼の服の襟元を掴み、睨みつける。




ホントは今すぐにでもナイフを突きつけてやろうかと思ったけど、やめた。

後処理とかしたくないし。





ナサ「…何を、言いに行くのですか」

「は？別に関係ないだろ、僕の邪魔ばかりしてるとその首掻っ切るよ」

ナサ「っ、」


「安心しなよ、君を殺す時は丁寧に骨を折ってあげるからさ」





僕より大きい彼の体を床に叩きつけ、すたすたと歩き出す。





「…じゃーまたね、ナサニエル」






一度振り返って、僕は彼ににっこりと微笑みかける。



彼の体が、一瞬怯えに震えるのが分かる。

…ああ、つまらない。


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