検索窓
今日:19 hit、昨日:12 hit、合計:384,294 hit

dix. ページ11

.







とても広い、図書室。



屋敷にはたくさんの本があって、僕はよくこの部屋に来ては本を読み漁っている。






「…あ、」




過去の新聞も置いてあるんだったっけ。


ふと思い出したように、そのコーナーに近づく。





…何故、突然そんなことを思い立ったのかは分からない。






「12月19日……」





一年前、僕が彼と出会った日。


僕の全てが変わった日だ。





「…有名企業の社長邸宅が火事で全焼。…全焼?」





火事なんて、起きたっけ。

…フランシスがやったのかな。まあ、その方が自然か。




「家族4人を含む使用人たち総勢32名が死亡。…え、家族4人って、」



どういうことなんだろう。



家族4人の中の僕は、今も生きてる。

…ふいに、恐ろしい仮説が脳内に浮かび上がる。





「…身代わりが、いる…?」



まさかね、と頭を横に振る。

だって、そんなこと、あるはずがない。



その次の日付のページをめくり、記事を読む。




「…消えた企業は隠密組織と癒着していた。その組織とは、」




…思わず、手から新聞が落ちてゆく。




「…ポート、マフィア」




一度、聞いたことがある。


ヨコハマ界隈を縄張りとする、凶悪組織で、その構成員の多くが、" 異能力者 "。




−−− 異能力者など、生きる価値もない。




「え…、あ、……っ………」





その場にしゃがみ込む。


異能力者()を虐げてきたあの人(父親)が、異能力者(マフィア)に多大な資金を?




部下「!Aさん!!」

「…それじゃあ…どうして………」


部下「大丈夫ですか?!」





部下の人に支えられながら、僕は立ち上がる。




僕は、迷い始めていた。

…善と悪の線引きを、知りたいと思った瞬間だった。



.

onze.→←neuf.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (219 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
699人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

サングラス - 良かったです!!この作品読むのとても楽しいので嬉しいです!頑張ってください! (2016年10月21日 15時) (レス) id: d1c26ece08 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - やったあああああ!これからも更新、頑張ってください!! (2016年10月19日 23時) (レス) id: bed4eaded8 (このIDを非表示/違反報告)
Lan(プロフ) - 初コメです。いつも楽しく拝見させて頂いているので、消さないで下さい。これからも楽しみにしてます。頑張って下さい。あ、返信いりませんよー (2016年10月19日 0時) (レス) id: 8a665e221e (このIDを非表示/違反報告)
こゑだ(プロフ) - 初コメです。これは自分が勝手に思っているだけですが、このサイトを利用している人はある程度性的知識が豊富だからフラグがどうとか言ってると思うんでフラグはいらないと思います。私もこの作品の更新を楽しみにしている内の1人なので消さずに頑張ってほしいです。 (2016年10月18日 19時) (レス) id: e4866b2b81 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫 - 初コメ失礼致します。下の方が仰せられております通りだと思います。読者の私としてもフラグが必要な程の表現は無いかと思われます。最終的な判断は作者様となりますが私はこのまま更新を続けて頂けたらと考えております。お目汚し失礼致しました。 (2016年10月18日 19時) (レス) id: 46877d2f51 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年9月10日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。