【文スト/番外編】La couleur pour changer.【男主】

3. ページ4

.


【敦 視点】









太「…あれ、Aくんは？」






出かけていた太宰さんが、帰ってくるなりAさんの姿を探す。


僕はケーキの箱を持ちながら、太宰さんに近づく。






敦「Aさんなら数時間前に出かけましたよ、仕事だそうです」


太「成程。そのケーキはいつもの？」

敦「はい、まだたくさんあるので安心してください」






んー、と思案したあとで、太宰さんはひょいとモンブランを取っていく。







太「国木田くん、Aくんの今日の仕事ってなーに？」


国「要人の警護だ」

太「ああ、いつものやつね…Aくんも断ればいいのに」







要人の警護って、何やるんだろう。


でも、危険じゃないのだろうか。







敦「Aさん、警護も出来るんですね」

太「そりゃあ勿論、我が社で一番稼いでくる社員だからね」


国「いつも警護はあの人が行ってるからな。先方からの指名も入っているし」






…知らなかった。


Aさんって本当に色んなこと出来るんだなあ、なんて。






太「ああ見えて、体術も武術も長けてるし、銃を持たせれば必ず命中させるしね」


敦「か、必ず…」






…本当に、Aさんて何でも出来るんだ……(２回目)






太「まあでも、私としては彼が警護をしに行くのは好ましくないね」

敦「…どうしてですか？」


太「彼、愛想いいじゃない。綺麗だし。そのうえ人誑しだからね。罪深い人だ」







そう呟いて、太宰さんはモンブランを口に放り込む。


国木田さんは、ため息をついていた。




.

幼き日の 1.→←2.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す