◇share.01◇ ページ2
昔から、何もかもうまくいかなかった。
家族とはあまり良い関係とは言えなかった。
実家を出てからは帰省する事ができず、
連絡すら取らなくなってしまった。
結果的に、身内とは疎遠の状態である。
人間関係もそうだ。
小さい頃から人と接するのが苦手で、
そのせいでい.じ.められた事もあった。
当然、友達や親友なんて呼べる人もいない。
社会人になってからは一回りも二回りも年上の相手に
どうコミュニケーションをとっていいか分からず、
第一印象は最悪。
仕事上の最低限のやり取りしかしてもらえなくなり、また孤立した。
そんな私でも、恋人になってくれた人はいた。
純粋に、心から、夢かと思うほど嬉しかった。
なのに、「他に好きな人ができた」と
「なんか思ってたのと違う」と
それだけの理由であっさり捨てられた。
異性が苦手になったのは、この頃だったと思う。
ならばせめて結果を残そうと頑張った勉強と仕事。
幸い、学生時代の成績は中の中〜中の上だったので
赤点をとったり、追試を受けたりする事はなかった。
でもそれが私の限界。
どれだけ努力しても、テストの点数や通知表の評価は変わらなかった。
仕事は初めての事だらけで手間取っていたけれど、
過去の資料を見たり、先輩のやり方を真似て一生懸命取り組んだ。
しかし、私がようやく一人でできるようになった頃には
他の同僚は既に別の業務を覚えていたり、仕事を任されたりと
どんどん仕事のレベルを上げていた。
自分の頑張りは何だったのかと休憩室で泣いたのは、まだ記憶に新しい。
一人暮らしを始めたら変われると思った。
新しい人生を歩めると信じていた。
けれど現実はそんな簡単なものじゃない。
今までと同じ。
ぜんぶ、ぜんぶ上手くいかない。
むしろ以前より悪化しているとさえ思う。
あぁ、もう。
どうせ何も上手くいかないのなら、
どうせこのまま変われないのなら、
いっそ消えてしまいたい。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:浅葱 | 作成日時:2019年11月3日 23時