十話 ページ11
鏡花「マフィアに戻っても処刑される。
それに……35人殺した私は生きていることが罪だから」
中島「……っ!」
敦が鏡花に何か言葉を投げかけようとした瞬間
中島「……ゲホッ」
鏡花「……!?」
敦の身体に芥川の異能が突き刺さった。
芥川「処刑?」
芥川は一歩、また一歩と鏡花と敦に近づいていく。
芥川「処刑などせぬ、お前は任務を為果せた」
鏡花「あ……」
「君たち!!何をしている!!」
騒動に気が付いた軍警が声を掛けるも、背後の車からの銃撃を受ける。
芥川「お前の任務は"餌"、お前には発信機が付いている。居所は筒抜けだ」
芥川は鏡花の首に掛かった御守りを指差し、そう云う。
鏡花「……っ!!」
鏡花は首に下げていた御守りを握り締めた。
芥川は羅生門で敦を持ち上げ、トラックの荷台に投げ入れると、鏡花の頭を掴み、耳元で呟く。
芥川「帰るぞ」
鏡花「……っ、」
鏡花が何も言えずに震えている時、車のドアが開き、
其処から黒岩が降りてきた。
『……こ〜ら、龍之介くん。鏡花ちゃんが怖がっているだろう?そんな乱暴な真似は辞め給え。』
鏡花「……!」
芥川は黒岩の声を聞き、黒岩の方を睨みつけた。
すると、黒岩は笑顔で口を開く。
『おや…………何だい其の目は?』
つい先程迄の巫山戯た云い方や表情と打って変わった黒岩の重く、冷たい殺気の籠もった言葉に芥川は喉の奥を震わせる。
『此れでも私はポートマフィアの幹部をしているのだよ……』
黒岩は芥川の眼を真っ直ぐ見ながら云う。
『……幾ら私のことが気に食わないからってねぇ……
そんな子供じみた真似をすると、痛い目を見るのは君なんだ。』
芥川「っ……!」
『分かったかい?』
黒岩は殺気を消し、再び巫山戯た様に云った。
芥川「……御意」
『よし!いい子だねぇ!』
黒岩はそう云いながら車へ乗り込む。
『じゃあ、私は様子を見に来ただけだから…龍之介くん、後は任せたよ!』
芥川「……御意」
黒岩はニッコリと笑いながら、車を出した。
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作成日時:2023年11月6日 20時