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緑色のヒト ページ1

千歳Aは考えていた。

さっき見た夢はなんだったのだろう、と。

背の高いお兄さんが私を助けてくれた。

そんな夢だった。

Aは再度考える。

なんだか見たことがあるような、無いような。

しかし確実に言えるのは

私はあの声を聞いたことがある。

優しくて、自分を包み込んでくれるような、そんな声。

でも、どこで聞いたんだろう...?


A母「A〜ご飯できたよ〜」


モヤモヤする。

早くこのモヤモヤをどうにかしたい。


A「今行く!」


まあ、いずれ分かるときが来るだろうなあ。

Aは諦めて思考を停止させた。

それよりなにより今日は学校だ。

一週間の終わり、金曜日。

急がないと。

朝食を無理矢理口に詰め込む。


A母「そんながっつかなくても無くならないわよ」

A「わかってるよ。でも、急がなきゃ」

A母「急ぐ?いつもこの時間ならゆったりしてるじゃない。何かあるの?」

A「あ...うん。いや、何も無いんだけど、なんか、いそがなきゃいけない気がするの」

A母「なにそれ」


お母さんは、なにそれ、と言いながらも私のために牛乳を注いでくれる。

そういえば、なんで急がなきゃって思ってるんだろう?

なんもないのになあ。

食べ終えると、歯を磨いて顔を洗って、制服に着替えて、靴を履く。


A「いってきます!」

A母「いってらっしゃい、気をつけて」

A「はーい」


駅までは走る。

なんでこんなに急いでるのか。

横っ腹が痛くなり、途中で止まった。


A「今日の私、なんか変だ」


そんな呟きが、誰の耳にも届かないのは知っている。

ただ、自分で自分が分からなくて、自問自答しようとしているのだ。

考えを振り切るようにしてまた走り出す。

朝の空気は心地よい。

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作者名:華月 | 作成日時:2017年6月18日 19時

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