「好奇心」は自分の首を絞める〜Part7〜

Valentine’s day 赤井秀一2 ページ4

『私、これ花瓶に生けてきますね？』

「あぁ、俺は車で待っているよ」


そう言って去っていく赤井を見送りドアを閉める。
閉まった瞬間、ドアを背にしてズルズルと座り込んだ。

い…いきなりすぎでしょ…！イケメンすぎでしょ…！？
もう…こんな綺麗な花束渡されて…あぁもう…

自分でも顔に熱が集まってることは分かった。
とりあえずバラの花束を花瓶に移し、一度鏡で自分の姿がおかしくないか確認して家を出た。



『赤井さんお待たせしました！』


下に降りると赤いマスタングに寄りかかりタバコを吸っていた赤井がいた。

うわぁ〜…絵になるなぁ…悔しいくらいイケメンね…

赤井はAに気付くと直ぐタバコを消した。
普通なら気にせず火がついたまま車に乗り込むが、Aに気を使って消すようにしている。

「さて、じゃあ行こうか」

『はい！』


マスタングは助手席が右側なので、乗り込むとなると車道側に出なくてはいけない。
だからなのか赤井はAの肩を抱き寄せ、車に注意して助手席に誘導してくれる。
そんな気遣いも嬉しくて、赤い顔を隠すように手で顔を覆った。


「ん？どうしたんだ？」

『なんでもないです…』


絶対分かって聞いているであろう彼の問いかけに少しムカついてくる。


「さて…デートと言っても細かいプランはないんだ…ドライブしながら気になる所へ行くのはどうだ？」

『いいですね！そうしましょう！』


その後、車でブラブラしながら昼食を食べたり、気になる店を見つけたら寄ってみるなど
何とものんびりとした時間を過ごした。


夜…とある場所に着いて車が止まる。


『赤井さんここは？』

「それはお楽しみってやつだな…さ、降りるぞ」


赤井に促され車を降りる。そこは自然公園のような場所だった…
赤井が隣に来て腕を見せる。
その腕にそっと自分の腕を通せば赤井は満足そうに笑って歩き出す。

暫く歩くと遠くが凄く明るい…
なんだと思ったが、近くに来て直ぐ分かった。


『わぁ…イルミネーションだぁ！』

「あぁ、ここはバレンタイン期間だけイルミネーションをしているらしくてな…」

『綺麗…』


赤、白、ピンクを中心とした光にうっとりとしてしまう。
暫くボーッとしてると、赤井の顔が目の前に現れる。
顎を持たれ近付く赤井に一瞬油断し、Aは慌てて離れる。


『うわぁぁ！ちょっと！何するんですか赤井さん！？』

「何って…キスだが？」


何言ってるんだ？って顔した赤井にAは一度深呼吸する。

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