デート4 ページ16
そして夜になり……
『んー…これでだいたい回ったかな?』
「あと観覧車が残ってますよ?」
『あ!じゃあ行きましょう!』
「はい」
二人は手を取り観覧車へと向かう。
するとずっと付いてきた二人は自分達の後ろに並んだ。
おぉう…なんか緊張するなぁ…監視されてるみたいで…
『この時間だとライトアップが見えて綺麗そうね。』
「えぇ、とても楽しみですね…知っていますか?」
『え?』
「観覧車の頂上に着く時、願い事をすると叶うっていう噂…」
『え!?知らなかった!!んー…何お願いしようかなぁ…』
わざとらしく首を傾げて考えるフリをする。
降谷さんは決まってるでしょうね「この国を守る!!」って…ほんと愛国者よねぇ…でも、そんな降谷さんを尊敬してるし、憧れてる…私に出来ることはなんだろう…私はずっと…
『降谷さんの側にいたい…』
降谷さんの力になりたい…
息を吐くように小さな…自分でも気づかないくらい小さな声で呟いた…
もちろんその呟きは後ろの女性二人には聞こえない…だが、隣にいた彼には…………
そして自分達の番が来て観覧車に乗り込む。
『ふぅ〜!監視されながらするデートも大変ですね…』
「あぁ、そうだな…」
表情はニコニコしているものの、口調はお互い元に戻る。
『あ!見てください降谷さん!景色が綺麗ですよ!』
「あぁ、そうだな…」
『警視庁はどの辺でしょうか…あの辺ですかね?』
「あぁ、そうだな…」
『……?』
降谷さんどうしたんだろ…さっきから同じ事しか言わない…疲れてるのかな?そりゃそうか…
やっぱり願い事は「降谷さんの重荷が少しでも減りますように」にしとこうかなぁ…
そうこう思っていると、もう少しで頂上に着く…
「もう少しで頂上だ…願い事は決まったのか?」
『はい…』
Aは静かに目を閉じ思う…
降谷さん…私は降谷さんの力になり…
『んっ!!!!?』
その瞬間、いつの間にか隣に座っていた降谷にグイッと抱き寄せられ、唇に温かい感触がした。
……それがキスだという事に気付いたのは、彼がゆっくり離れてからだった……
『……』
「……」
ファーストキスだった…だが、怒りより驚きの方が勝っていた……
徐々にAの顔が赤くなり、慌てて俯く。
降谷はそんな彼女を優しく抱き締めた…
「小桜…大丈夫か?」
『は、はい…』
恥ずかしくて顔が上げられない…
「すまない…ここでキスをしておけば、後に乗った彼女達も諦めるだろう…」
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ぽむ(プロフ) - すき。語彙力ないんですけど、この作品が好きです。ありがとうございました。 (2022年5月12日 23時) (レス) @page40 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - Shamrockさん» お褒めの言葉ありがとうございます!!皆様の応援のお陰でやってこれました!!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - おったまげさん» ありがとうございます!色々伏線がありましたねw1度読んだ後、もう一度読んだ時に伏線を見れるのが面白いように書きましたw! (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
Shamrock(プロフ) - 九実さんの作品ほんと好きです。文才だなぁと思いながらいつも見ています。これからも頑張ってください (2019年4月5日 23時) (レス) id: 4a04417653 (このIDを非表示/違反報告)
おったまげ(プロフ) - もう本当に読んでいて素晴らしかったです。催眠のスイッチの部分とか、最後の最後にあぁこういうことだったんだ!って一人で感動してました(笑)これからも連載頑張ってください^ ^ (2019年4月5日 23時) (レス) id: e18c4166e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九実 | 作成日時:2019年4月5日 11時