デート3 ページ15
トロピカルランドに着き、いつも通り二人手を繋いで歩き出す。
『透さん、カチューシャ見つけたけど、付けますか?』
「僕は……じゃあせっかくなので付けますか!」
何か迷った後ニッコリ微笑んで選び始める。
ペアのカチューシャを購入して付ければ、Aはまた楽しそうに笑う。
『なんか雰囲気出るねっ!』
「あ、あぁ…そうですね!」
一瞬どもってしまったが、彼もまた笑い返す。
ふと、近くでカップルが二人並んで楽しそうに写真を撮るところを見つけた。
あぁ…普通なら記念に写真撮ったりするんだなぁ…恋愛なんて殆どしたこと無いし、降谷さんは写真なんて残しちゃいけないだろうし…複雑ね…
透にバレないよう横目でカップル達を見ていたが、そんなAの様子を彼は見ていた……
二人でマップを見ながら園内を歩く。
『透さん!あのアトラクション乗りたい!』
「良いですね!行きましょうか!」
手を繋いで笑い合いながら向かい、待ち時間も次はどれに乗ろうかなど相談しながら満喫する。
『あっ!チュロス発見!買ってくるね!』
そう言って駆け出そうとするAの手を彼はギュッと強く握った。
「ほら、そう一人で行こうとしないでください。一緒に行きましょう?」
『は、はい…』
強く…でも優しく握られた手が熱くなり、顔まで赤くなりそうでAは隠すように俯く。
そんな様子に透はクスッと笑い、垂れている横髪を指で掬って耳に掛け、そっと耳元に顔を寄せた。
「……気付いているか?」
『……はい』
小声で話す二人の目は真面目だった。
『二人…ですね』
「あぁ、そうだな」
実は先程から感じていた鋭い視線…最初は気の所為かと思ったが、彼と接する程に刺さるその視線は間違いなどでは無かった。
だから先程駆け出し、手を引かれた時際その後ろを見た。
すると遠くで凄い顔でこちらを見ている二人の女性がいた……
『恐らく安室さんのファンかと…』
遅かれ早かれ会うとは思っていた。そりゃ何度も見つけやすい所へ行っていたんだ、見つからない方がおかしい…
でも、降谷さんからしたら好都合かも…ここで見せつけて諦めさせようって魂胆だろうなぁ…
「それじゃあ「らしく」振舞え。」
『了解しました』
そして透はスっと顔を離してニッコリ微笑む。
おぉ…流石降谷さん…切り替えスイッチ有能ですね!
Aも従うように頬を染めながら彼に寄り添う。
そして二人は仲良く歩きながらお店へと向かった。
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ぽむ(プロフ) - すき。語彙力ないんですけど、この作品が好きです。ありがとうございました。 (2022年5月12日 23時) (レス) @page40 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - Shamrockさん» お褒めの言葉ありがとうございます!!皆様の応援のお陰でやってこれました!!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - おったまげさん» ありがとうございます!色々伏線がありましたねw1度読んだ後、もう一度読んだ時に伏線を見れるのが面白いように書きましたw! (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
Shamrock(プロフ) - 九実さんの作品ほんと好きです。文才だなぁと思いながらいつも見ています。これからも頑張ってください (2019年4月5日 23時) (レス) id: 4a04417653 (このIDを非表示/違反報告)
おったまげ(プロフ) - もう本当に読んでいて素晴らしかったです。催眠のスイッチの部分とか、最後の最後にあぁこういうことだったんだ!って一人で感動してました(笑)これからも連載頑張ってください^ ^ (2019年4月5日 23時) (レス) id: e18c4166e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九実 | 作成日時:2019年4月5日 11時