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彼女を荼毘に伏せてから四十九日、高杉は庭を歩いていた。宛もなく何時間歩き続けるも、その様子を伺う部下は何も言わずにそれを見守る。
今生で死を遂げた魂は、来世に至るまでの四十九日の間に一体何をしているのだろうか。
愛する者の傍に居るのか、それとも思い入れのある場所へとユラユラ飛んでいくのか……。彼女が何処に居るかも見えない彼は、ただ何気なく時折横を見つめていた。
風が吹いてはAの頬を掠める髪を撫でた記憶を思い出し、鳥が羽ばたけば彼女のために詠った詩を読み直す。
しかし不意に高杉が足を止めたのは、あの薔薇の鉢の前だ。そこには一本の薔薇が高杉に向けて花を咲かせており、彼はそれを指先で優しく突く。
薔薇の花はまるで上を見ろと言っているように前後へ小さく揺れた。高杉が空を見上げれば、またあの薄明光線……天使の梯子が彼の視界に映る。
その時高杉は、それを使ってAが天に昇ったのだと悟った。そうして次に見る時は、彼女が降りてくる時だとも。
高杉はAと誓った小指を立て、あの日した約束を頭の中に彼女の声で再生する。
「生まれ変わっても、また貴方に逢えますように」
妖艶な青い色を付けた薔薇は、その言葉通り高杉に奇跡を見せるだろう。
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まい - 999本の薔薇は「何度生まれ変わってもあなたを愛す」ですね。感動しました。 (2020年5月12日 20時) (
レス) id: 7154107f34 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - 完結おめでとうございます。まさか、「おかえり、愛おしい人よ」シリーズと繋がっていたのだとは知りませんでした。そして感動し、鳥肌が立ちました。素晴らしい作品です！ (2019年11月12日 18時) (レス) id: 7837a845b7 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒奈(プロフ) - すごい感動しました！涙が止まらなかったです！本当におもしろくて、最高でした！ (2019年2月9日 22時) (レス) id: 128bb1ac1a (このIDを非表示/違反報告)
ハル（6/17）(プロフ) - モモさん» 閲覧とコメントをどうもありがとうございます＾＾ 沖田もいいキャラですけど高杉も捨てがたいですよね〜〜〜！！ そう言ってもらえてとても嬉しいです！！ ありがとうございました( ´ ∀｀) (2018年4月27日 14時) (レス) id: 0297264441 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - 今回の作品もとても面白かったです！思わず涙ぐんでしまいました(笑)サドリーマンも好きだけど、特に高杉さんの作品が大好きです！私もどちらかと言うと高杉好きなのでwとても素晴らしい作品をありがとうございました！！！ (2018年3月18日 20時) (レス) id: a467930736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時：2017年8月24日 11時
