【銀魂】夢は、青い薔薇のようだ

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『……晋助さん』
『お願いがあるんです』



『私が眠るまで、何かお話をしてください』




過去に同じ願い事を彼女はしていた。それを高杉も覚えていたために、あの日と同じで「ガキか」と返す。

しかし高杉は彼女の身体を抱き上げ、自分の脚の間に座らせては包み込むように抱きしめる。



高杉の胸に耳を寄せて彼の鼓動を聞き、自分と違って早い高杉の心音に彼女は彼が生きていること、生きていくことを実感した。


彼女は何度も意味もなく高杉の名前を呼び、彼もまたそれに応えていく。そうしてAは、顔を上げて高杉を見つめる。




『あの薔薇は、咲きますよ』
『奇跡の色をつけるんです』


『……なら、誓うか？』




今度はお前が決めろと、高杉は彼女に目で訴えかける。それに気付いたAは小指を見せ、ひとつの誓いを立てたのだ。

そうして彼らは指切りを交わし、満足そうに彼女は頷く。








『今日は、どんなお話をしてくれるのですか？』


『そうだなァ……』
『俺が愛した女の話をしてやるよ』




高杉の声に耳を傾けたAは、彼の心音に身を委ねて目を瞑る。ゆっくりとゆっくりと……そうしてたまに揃う自分の心音に笑みを見せ、彼女は深い眠りに落ちていく。




そうしてAは夢を見た。




奇跡のようで、二度と醒めることのない愛の夢を

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