265.恋愛相談。 ページ26
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「信……貂…飛信隊の皆……ごめんなさい…。」
何も告げずに去るつもりだった。自分の意志で選んだ選択。後悔しても遅いのは重々わかっている。最後に見た貂の私を引き留める声、泣き顔。振り向けば一度決めた意志が揺らいでしまいそうで、落ち合う場所へと馬を走らせた。
「邪魔する――、え、何で泣いてんだ！？」
「泣いてませんっ！」
「いや、泣いてるって。ほら」
泣いてるのを証明しようと私の頬に流れる涙を指先で拭い、見ろよと青年は言う。それを知りませんと顔を背ける私に、尚も青年は食い下がらない。グイッと私の顎を掴み、泣いてるからと青年は顔を近づけてくる。
「泣いてなんか…っ」
「うるせェな。認めねェと、その口俺ので塞ぐぞ」
「そんな事したら、李牧さんに言いつけますから」
「なっ、卑怯じゃねェか！ったく、見た目は大人しい面して、ほんとお前って、」
じっと見つめてくる視線に目を逸らそうにも、顎を掴まれたままの私は視線を逸らせない。
「な、何ですか？」
「なんつーか…お前可愛いよな。俺の側にはカイネって女もいるけどさ、俺の扱いが酷くて。まぁ、アイツは李牧様しか眼中にねェから…。」
「もしかして、傅抵さんはカイネさんの事が好き――」
「はぁ！？な、何言ってんだ！」
何を言っているんだって、私は自分の感じた事を言っただけ。傅抵さんは見るからに動揺し、布で覆っていない部分の耳が真っ赤。これで何の感情も抱いていないなんて嘘だ。
「私でよかったら話聞きますよ」
「マジで…？」
「カイネさんも女の私の方が話しやすいと思いますし」
「それは…そうかもしんねェけどさ…。端から相手にもされない俺に勝ち目なんかあると思うか？」
「でも、諦められないんですよね？だったらとことんぶつかって見たらいいじゃないですか」
「もし、フラれたらお前責任とってくれんの？俺のこと慰めて、抱き締めて癒してくれるのか？」
こうやってさ、と私の背中に腕を回し抱き締めてきた傅抵さん。
突然の行動に驚くと同時に天幕の入り口が開く。
「李牧様…今は入られない方が…、」
「何を行ってるんですか、慶舎。私はAに会いに来たん――」
傅抵さんに抱き締められている私と目が合った李牧さんは、ニコッと笑顔を浮かべ、傅抵こちらへと低い声で呼びつけた。
266.慶舎。→←264.君が側にいないこと。 蒙恬side
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S - 初コメ失礼します！キングダムにハマって昨日この小説を一から読んだんですがほんとに号泣で最高です！これからもがんばってください (3月31日 13時) (
レス) @page50 id: 458c8fefa1 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 綿菓子さん» コメントありがとうございます。確かに、自分でも早いと思ってます笑。引き続き読んでいただけたら、嬉しいです。ありがとうございますね。 (2020年6月12日 19時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
綿菓子 - 最近は更新スピードがとても速いので嬉しいです！唯一無二の花嫁。７も必ず読みます♪無理せず更新頑張ってください(^^) (2020年6月11日 19時) (レス) id: 80159fc2f2 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 海さん» ありがとうございます。私も、読者様がこの作品を読んでくれることと、コメントをもらえることが原動力になってます。更新頑張ります！ (2020年6月8日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ゆうあさん» はい、宜しくお願いします！こちらこそ読んでいただき、ありがとうございます。頑張りますね！ (2020年6月8日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年12月30日 16時
