323.夜襲。 ページ36
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城内に鳴り響く銅鑼の音。体を休めていた兵達が慌てて自身の持ち場へと就く。地面に散乱した食事の残骸。手にした松明で周りを照らすが、目の前に広がるのは漆黒の闇。
喚声を聞くだけでも、かなりの数がいるのは予想できる。
予想しかできないのは、暗闇に確認の仕様がないからだ。
「敵の野営の火もない。わざと消しているのか」
「こちらに敵の数を悟らせないためです」
政の言葉に蒙毅が続く。
わざとらしい大喚声に、大した数ではないのかもしれないし、もしかしたら油断させといて大挙に攻めて来るかもしれない。貂はそう不安を口にした。
いるであろうと想定して放つ矢。打てども聞こえる声は喚声ばかり。
不気味すぎる。
姿が見えない恐怖と不安に、精神が苛まれる。
辺りが白けた頃に突きつけられた現実は、さらに兵を苦しませる事になった。何故なら夜通し打ち続けた矢は敵の射程にも入っておらず、敵の数は半分にも満たなかったから。その半分の兵が城内に届くような喚声をその場から発していただけだった。
完全に踊らされた。
だが、休む暇も与えず今度は攻め入って来る。
「A！負傷者の救護に当たってくれ！」
「わかった！貂も気をつけｰｰｰｰ」
「河了貂！」
聞こえてきた声と同時に貂の元へと私は走り出した。敵の奇襲に気づいた貂が吹き矢を放つも、カイネには当たらず殴られた衝撃で地面に倒れ伏す。
「貂…！！」
「やはりお前もここにいたか…A。何故、李牧様を裏切った！何故、李牧様の元を離れた！お前の勝手な行動で、李牧様が心を痛めてると知ってる筈だろ！」
「貴女が李牧さんを慕っているように、私にも慕う人達がいる。守りたい人達がいるから、私はここにいるんです」
「お前の心情なんてどうでもいいんだ！李牧様がお前を望んでいるなら……私はその命に従いお前を連れて行くだけだ」
パンッと乾いた音が鳴り、殴られた頬に持ち上がる体。意識を失った貂を担ぐ兵同様、暴れる両腕を掴まれた私も敵陣へと連れて行くつもりだろう。
「大人しく付いて、」
「させるかよ！！」
突っ込んできた信の剣が私を担いでいる敵兵の体を貫いた。投げ出された先は空中、立て直しの効かない体勢に見えたものは地上で待ち構えている敵兵の姿だった。
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bluemoon(プロフ) - イルカさん» コメントありがとうございます。推しが同じ読者様に会えて嬉しいです。花嫁本編では王騎将軍の救済ルートを避けてしまったので、中編集で幸せになっていただきたいと思います。王騎将軍とのお話久しぶりに書く気がします。まずは花嫁8ですね。頑張ります！ (2020年12月27日 8時) (
レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 私は王騎将軍オシなのですっごく楽しみです！！シリーズ8も楽しみにしてます。 (2020年12月26日 23時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ノンさん» テストお疲れ様でした。アニメ楽しみですね！どんな声優さんが演じてくれるのか、情報を解禁されるのもワクワクしますね。私ももう少しでお仕事が長いお休みに入るので、更新頑張ります！作品に遊びに来ていただいてありがとうございます。 (2020年12月21日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
ノン - 執筆活動お疲れ様です！！無事にテストが終わりゆっくりできる時間が出来たので小説を読みに来ました！これからの展開が楽しみです！春にはキングダムのアニメ3期も再開されるので今からキングダム熱を上げています笑笑 (2020年12月21日 17時) (レス) id: a804f7d386 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Tomoyoさん» お久しぶりです。三連休ですか、いいですね。明日から私はまた仕事です…。時間を見つけてこれから更新頑張りたいと思います！コメントありがとうございます。 (2020年11月22日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年6月20日 15時
