6日目-6- ページ4
「左馬刻だ。"様"付けて呼んでいいぞ」
「おk、サマ左馬刻くんね!」
「いや、何でそうなる」
鋭いツッコミを入れる左馬刻さんが珍しくて、私は思わず笑ってしまった。
すかさず左馬刻さんにデコピンされる。
「何笑ってんだ、お前」
「いたっ!………ふふ、だって。おかしくて」
お兄ちゃんはそんな私たちを交互に見比べると、やがてポンと手を打った。
「あ!この人が、Aが前に言ってた大切な彼氏クンかぁ!」
「うぇ!?そんなこと言ったっけ!??」
かなり記憶改変されてない、それ!??
恐る恐る左馬刻さんの方へ振り向くと、予想とは違った表情を浮かべていた。
「___ま、そんな感じだな。
…つーことは、アンタは俺の義理の兄貴ってことになんのか?」
……怒っているかと思ったのに、そう言った左馬刻さんの顔は、何故か楽しそうだった。
「うっそマジ、義弟できちったよ!やば〜〜!!!
…あ、記念に3人で写真でも撮る!?」
言うや否や、お兄ちゃんはスマホを取り出した。
「ほら、2人とも入ってよ〜!」
内カメラにしたスマホを高く掲げ、お兄ちゃんは楽しそうに言った。
カシャ、とシャッター音が響く。
___墓地で写真なんか撮って、心霊でも映りこんじゃったりしないだろうか。
変な心配をしながら、私は撮れた写真を見せてもらおうと、お兄ちゃんのスマホを覗き込もうとした。
………………はずなのに。
「いやぁ、いいねいいね!
もう1枚撮ろ……………
…………Aッ!?」
「おいっ、A!!!」
ぐらり、と視界が傾く。
泡を食ったような2人の声が聞こえた時にはもう、私は地面に倒れていた。
「あ、う………っ」
脳が締め付けられるように痛む。
目の前は白く霞んで、視界がぼやける。
上手く息が吸えなくて、声が出ない。
A、A、と泣きそうになりながら私を呼ぶお兄ちゃんの声と、ほとんど怒鳴る態で救急車を呼ぶ左馬刻さんの声が聞こえたのを最後に、私の意識は途絶えた。
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鈴 - 夢主ちゃん、幸せになって良かったぁあああ!!!!!もう、すっごい感動しました!泣きました!ありがとう、感動をありがとうございます!!!(うるさくてすいません) (2020年7月14日 21時) (レス) id: 7ac441a921 (このIDを非表示/違反報告)
まー - 完結おめでとうございます!めっちゃくちゃ感動しました!自分の妄想でこんな感じの話を作ってたので私の心にぶっ刺さりました笑笑左馬刻様マジでかっこいい(*≧∀≦*)ほんとにほんとにこの話読んでて泣きそうになりました。私もこんな感じの人とこんな恋がしたいな、、 (2019年11月20日 16時) (レス) id: 0db8fc4dba (このIDを非表示/違反報告)
帝光(プロフ) - 改めて完結おめでとうございます!!!!!この作品で私は事あるごとに涙を流す変な奴になってしまいました。見事にゴールインして嬉しかったです!お兄ちゃんも出てきたし!次の作品、楽しみにしています!受験、頑張ってください! (2019年7月24日 10時) (レス) id: f744c6fe41 (このIDを非表示/違反報告)
夏柯 - 完結おめでとうございます!本編で泣き、番外編でも泣き……感動しまくってました!プロポーズがロマンチックすぎて……!本当に良かったです!更新お疲れ様でした! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d7e54bb1e1 (このIDを非表示/違反報告)
世理(プロフ) - 本当の完結おめでとうございます!もう...めっちゃ好きです!新作出たらすぐに飛んできますので!!!楽しみにしてます!お疲れ様でした! (2019年7月11日 20時) (レス) id: 5d3e2d5767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢野いと | 作成日時:2019年5月24日 18時