6日目 ページ48
山に面した大きな窓から射し込む陽の光で、目覚めた。
どこからか、チチチ、とかわいらしい鳥の声が聞こえる。
うっすらと開いた目は、隣で眠る左馬刻さんを捉えた。
とてもヤクザさんとは思えないような整った顔立ちと、普段より少し幼く見える寝顔に、思わず笑みがこぼれる。
___その寝顔の穏やかさとは真逆のようで、でもどこか似通っているような熱さを、昨晩は受け止めきれないほど感じた。
いたい、くるしい。
初めてだった私は、吐き出すように言った。
左馬刻さんはそれに応えて、痛みがなくなるまでずっと優しくしてくれていた。
触れる手の温もりが愛おしくて、何度も何度も名前を呼んだ。
さまときさん、さまときさん、と舌足らずな声で鳴く私を、左馬刻さんは強く抱き締めてくれた。
痛みの後に訪れたものは、痛みよりもずっと耐え難い、快感だった。
初めて感じるそれに頭を埋め尽くされて、私はただ本能のままに喘ぐことしかできなかった。
左馬刻さんは、そんな私を激しく抱いたけれど、見つめる視線は優しくて、壊れ物を扱うかのようだった。
幸せな時間と大好きな人に包まれて、私は何度も達し、やがて深い眠りについたのだった。
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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります!完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2019年5月20日 17時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です!ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー!さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります! (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー! - おぁぁぁあ!!!!!凄い好み!この小説!!!更新頑張ってぇぇ!! (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢野いと | 作成日時:2019年4月9日 12時