3日目-7- ページ24
1歩ずつゆっくり、左馬刻さんは笑顔のまま私に近づいてくる。
それに合わせて、私は1歩ずつ後ずさる。
「俺様を差し置いて男とデートか。度胸あんなァ」
え、見てたの…?
私が一瞬戸惑ったその時、左馬刻さんは大股で距離を詰めると、私の顎を掴んで持ち上げた。
もちろんその顔に笑顔はない。
左馬刻さんの鋭い視線をぶつけられ、私は怯えて動けなくなる。
左馬刻さんは低く、感情のない声で私を責めた。
「お前、俺様のことナメてんだろ?馬鹿にしてんだろ、あ"ぁ?
でなきゃ、他の男と遊んだりしねぇよなぁ!」
「馬鹿になんてっ…!それは誤解で、」
「うるせぇ」
私は弁解しようとしたが、すぐに左馬刻さんに遮られる。
そして、
ガリッ
「いぃ……っ?!」
唇の端に思いっ切り噛み付かれた。
強烈な痛みが走ったが、それだけでは終わらない。
口を重ねたまま、左馬刻さんは傷口から滲み出る血を、音を立ててすすった。
じゅる、じゅ、じゅるっ。
静かな路地に、左馬刻さんが私の血をすする音だけが響いた。
__何これ、痛い、苦しい、息ができない。
これをキスと呼んでいいのか分からないけれど、とにかくキスをするのは初めてじゃない。
でもこんなに長いのは初めてで、耐えかねた私はかすかに口を開けて息をする。
だが、左馬刻さんはその一瞬を見逃さなかった。
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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります!完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2019年5月20日 17時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です!ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー!さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります! (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー! - おぁぁぁあ!!!!!凄い好み!この小説!!!更新頑張ってぇぇ!! (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢野いと | 作成日時:2019年4月9日 12時