3日目-6- ページ23
家に帰る頃、辺りはもうほとんど暗くなっていた。
渋谷の中心街でお兄ちゃんとショッピングをしたりご飯を食べたりした後、お兄ちゃんは私を駅まで送り届けてから職場に直行した。
1人で薄暗い夜道を歩きながら、今日のことを反芻して思わず笑みが零れる。
イケメンなお兄ちゃんは注目の的だし、綺麗な人を見つけたら口説こうとするし、なんと言ってもものすごく「あーん」をさせようとしてきた時は正直困った。
でも、本当に楽しかった。
お兄ちゃんは何度も笑わせてくれて、面白いものやかわいいものをたくさん見せてくれた。
自分一人では渋谷ですらなかなか行かないし、そもそも外出だってあんまりしない。
それを見越して、お兄ちゃんは「デートしよう」と言ってくれたのだろう。
昔から変わらないお兄ちゃんの優しさが、すごく身に染みた。
___…お兄ちゃん、幸せになって欲しいなぁ。
そんなことを色々考えているうちに、家がもうすぐの所まで近づいていた。
その時、少し遠くに人影が佇んでいるのが見えた。
こんな時間に誰だろう、と訝しんで近づいていくと、その影もだんだんと近づいてくる。
やがて、2人は同時に街灯に照らされて、その姿がはっきりと浮かび上がった。
「あ………」
私は思わず、声を漏らした。
なぜなら、そこに立っていたのが、
「…よぉ、遅かったじゃねぇの。随分お楽しみだったんだなァ?」
____恐ろしいほど不自然で、貼り付けたような笑顔の、左馬刻さんだったからだ。
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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります!完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2019年5月20日 17時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です!ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー!さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります! (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー! - おぁぁぁあ!!!!!凄い好み!この小説!!!更新頑張ってぇぇ!! (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢野いと | 作成日時:2019年4月9日 12時