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リクエスト『落花流水』 ページ29

コハクさんからのリクエスト Gaster落ち
※本編とは別物です。

「博士…何やってるんですか。」

「い、いやA君。
これにはちょっとしたワケが…」

研究材料で散らかった研究室。
埋めに埋め尽くされた足場。
いつ崩れてもおかしくない資料の山。

いつもより酷い部屋だ。

「私は貴方のお嫁さんじゃないんです。
…いい加減貴方の側に居てくれる人を
見つけてはどうです?
誰か候補はいないんですか?」

資料を片付けていた
博士の手がぴたりと止まる。

「…いるにはいるんだけどね。」

…意外だ。
まさか博士にそんな人がいるなんて。
興味の方が募って
思わず作業の手が止まる。

「どんな人なんですか?」

「然り気無い気遣いが得意で
僕を冷たく扱うけれど
何だかんだで心配してくれていたり
…僕の側にいてくれるんだ。
…彼女はとても優しいよ。」

嬉しそうに話続ける博士の相貌には
柔らかな笑顔が作られている。
それだけ好きな人なのか。

「…随分物好きな人ですね。」

「─君がそれを言うのかい?」

博士の眼差しは何故か熱を帯びている。

滅多に見ないせいなのか…
はたまた別の理由のせいなのか…
理由は分からないけど─
身体が火照って止まない。

…どうして?

そんな私を見てか
博士はこちらに手を伸ばした。

頬に沿う白い指が冷たくて擽ったい。

堪らずその手を払おうとすると
宙に浮かぶ別の手が私の両手首を掴む。

「…何、を。」

突然の事態に頭が追いつかない。
口から漏れた言葉はやけに掠れていた。

「…A君。」

頭上から名を呼ぶ博士の声。
いつものふざけた声じゃなくて
…真剣な時のモノ。

「─もう分かっているだろう?」

何の事だ。私は知らない。
…知りたくない。
知ってしまったら、もう。

「駄目です。私は生きられない。
博士と一緒には…なれない。」

後戻りが、

「A君。」

出来なくなってしまうから。

「君にも待っている人がいるだろう。」

頭上から聞こえる博士の声。

「君にも家族がいるだろう。」

いつもみたいに静かなのに、
優しくあやすような声なのに、

「─それでも、僕は。」

どこか寂しげで、切ない。


「…A君が、好きなんだ。」

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零ノ花(プロフ) - コハクさん» 犬の呼吸音はトラウマだったな。怖かったわーあれ。 (2019年4月29日 16時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - Amalgamの話しはいつ聞いてもグロイと思う。犬はよくあんなの思い付いたよなぁ(失礼) (2019年4月29日 15時) (レス) id: 8996be223c (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - コハクさん» 会話割って失礼(_ _)。坂○忍さんに似てるよね。 (2019年4月29日 2時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - カマ猫さん» バカパン?あぁ、顔芸がヤバイ奴。(そうとしか認識してない矛盾の塊) (2019年4月28日 23時) (レス) id: 8996be223c (このIDを非表示/違反報告)
カマ猫 - コハクさん» 個人的にバカパンに色々と相談したい。いい答えくれそう。 (2019年4月27日 14時) (レス) id: 6d716ce25d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年3月14日 15時

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