検索窓
今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:72,801 hit

不信感と猜疑心 ページ22

「…どこ行く気だよ。なぁ?」

Papyrusの読み聞かせも終わり、
一階へ向かおうと足を進めると
そんな声をかけられた。

「……」

「humm…黙りか?
…何か言ったらどうなんだ?え?」

何でこんなに怪しまれてるんだろう?
彼相手にやらかした覚えもない。

「…仕事、残ってるんだ。
多分、朝方には帰れる筈だよ。」

訝しむSansを余所に
玄関のドアノブに手を掛けた。
…が、それも空しく、反対の腕を
引かれて、離す羽目になった。

「…お前、嘘ついてるだろ?」

眼窩を真っ黒にして吐かれた言葉。

「…何を根拠に?」

「お前、ずっとLabに
引きこもってたって…言ったよな?

Monsterの寿命は長い。

人間の『ずっと』なんて、俺達から
すりゃ『少し』にしかならない。

明らかにMonsterである
俺の方があの人達と過ごしてる。
なのに、新入りを知らないなんて
おかしいんじゃないのか?」

「…あぁ。確かに。」

肯定されるとは思っていなかったのか
Sansはその眼窩を見開いた。

「…肯定と見なしていいんだな?」

「お好きに。」

「…食えない奴だな。」

不満があるのかあまり満足した様子を
見せないSansに笑みを溢す。

「嘘もある…けど、
大体隠してる(・・・・)だけだよ。」

「隠してる…?何を?」

「秘密。」

毒気を抜かれたように呆然とするSans。
そのうちハッとしたように
こちらを見て、声を荒げた。

「それじゃ分からないだろうが!」

「だから、秘密を隠してるんだよ。」

「…駄目だ。永遠ループになる。」

諦めたのか重いため息を溢し
肩を落として項垂れている。

「少なくとも害があるわけじゃない。
私がここにいられるのは
ある【一定の期間】だけ。
その間に成すべき事が私の仕事だよ。」

「【一定の期間】…?」

「それ、バレちゃったら
私の正体バレるのと同じだなー…」

違う世界から来た人間って
即座に分かるもんね。あー怖い怖い。

「…正体不明の奴を
信用する筋合いは無い。
…ただ、どうかこれだけは…
頭の片隅にでも入れておいて。

─私は貴方達を全力で守るよ。」

力が抜けてしまったSansの手を振り解き
再度扉に手を掛ける。



今度ばかりは、
引き離される事は無かった。

洋服選び→←本が誘うは夢裡の中



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
73人がお気に入り
設定タグ:undertale , sans , トリップ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

零ノ花(プロフ) - コハクさん» 犬の呼吸音はトラウマだったな。怖かったわーあれ。 (2019年4月29日 16時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - Amalgamの話しはいつ聞いてもグロイと思う。犬はよくあんなの思い付いたよなぁ(失礼) (2019年4月29日 15時) (レス) id: 8996be223c (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - コハクさん» 会話割って失礼(_ _)。坂○忍さんに似てるよね。 (2019年4月29日 2時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - カマ猫さん» バカパン?あぁ、顔芸がヤバイ奴。(そうとしか認識してない矛盾の塊) (2019年4月28日 23時) (レス) id: 8996be223c (このIDを非表示/違反報告)
カマ猫 - コハクさん» 個人的にバカパンに色々と相談したい。いい答えくれそう。 (2019年4月27日 14時) (レス) id: 6d716ce25d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年3月14日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。