月虹の魔女が見る夢 ページ50
――夢を見た。
『魔女め!貴様を火あぶりに処してやる!』
自分を追い出した国王。
鍬などの農具を持って、追いかけて来る国民たち。
『ありがとうございます、魔女様!あなたのおかげでおばあちゃんが元気になりました!』
自分の作った魔法薬で、元気になった祖母に変わってお礼を言う幼い少女。
あの時くれた花は、何色をしていたっけ?
『お前は本当に天邪鬼だな。少しは素直になればいいのによ』
あの時、あいつはどんな顔をしていたかしら?
少なくとも、いつもと変わらない困った顔だったかも。
『やれやれ、あなたのわがままには困ったもので……あ、やめて!私の仮面を取ろうとしないで!』
あの偉そうな態度がムカついて、クソカラスの仮面を奪おうと躍起になったものね。
あの時、なんであんなことしたんだっけ?
……ま、どうせくだらない理由よね。
『――――ルナティア。起きて、朝だよ。今日も新しい1日が始まるよ』
そして、最後に見るのは愛しいあの人。
私が初めて二つ名ではなく、本当の名前を教えた、黒髪黒目の青年。
ああ、会いたい。
会いたい。会いたいわ、■■――――
「――――!!」
意識が浮上する。
辺りを見渡すと、未だに夢の中にいる島民たちで溢れ返っている。
「ああもう、油断した……夢に引きずりこまれるところだったわ」
夢……そう、夢だ。
昔の記憶が、夢になって見た。
それだけだ。
「茨が広がってるわね……あいつ、まさか星を丸ごと包む気?」
上空では、『S.T.Y.X.』らしき存在が飛んでいるが、あの結界を破るまでに至っていない。
このままでは時間の問題だ。
「……まったく、本当に愚かね。こんなことしても、結末は変わらないのに」
憐憫を含めた口調で言いながら、ルナティアはナイトレイブンカレッジに向かって飛んだ。
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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (6月1日 14時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。42ページの【森】が【盛り】になっていました。 (6月1日 13時) (レス) @page42 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ああ、確かに似てますね! (5月29日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 来ました!更新!メインストーリーを読んでいると、鬼滅の刃無限列車編みたいだなぁと思いました。 (5月29日 14時) (レス) @page35 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 来ましたね!更新が再来週の月曜日になりますが、しばらくお待ちください。 (5月20日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年3月11日 2時