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ページ49

「もっと……君たちの……なりたい……に……」
「ミッキー!」

呼び止める前に、ミッキーの姿は消える。
本当に、ゴーストみたいに。

「もう行っちまった……せっかく『ミッキー交信調査』が成功したのに!」

そうグリムが叫んだ瞬間、部屋全体が揺れ始めた。

「な、なんだぁ!?部屋がぐらぐら揺れてるんだゾ!!」
「地震?夢の中で?」

そう思った直後、窓が激しく割れて、黒いドロドロしたモノが入ってきた。

「うわあっ!外からなんか黒いぐねぐねしたのが入ってきた!」
「これが……インク!?」
「A!オ、オ、オレ様から離れんじゃねーんだゾ!」
「離れるわけないでしょ、こんな時に!」
「こんなぐねぐね、オレ様の炎で焼き払ってやる!ふなーっ!!」
「そうね。私も応戦するわ!」

迫りくる大量のインクに立ち向かう私たち。
インクは人に似た何かに姿を変えていて、私たちの魔法に立ち向かってくる。

こいつら……見た目は違うけど、どこかファントムに似ている。
そもそも、一体どうしてここに?

「はぁ、はぁ……倒しても倒しても湧いてくるんだゾ!このままじゃ……」
「グブブブブ…………!」
「ふな――っ!……うぅっ、ゲホゲホッ!もう炎が出ねぇ!」
「グブブ……グブブブブブブ……!」
「嗤ってる……」

まるで嘲笑うように声を出すファントムに似た何か。
その時、背後で木が割れる音がした。

「ふなっ!?後ろの床が抜けた!も、もう逃げ場がねぇんだゾ……!だ、誰かぁ〜〜〜〜〜〜!」
「くっ……!一か八か、ユニーク魔法で……!」

ユニーク魔法を使うために、髪を1本抜こうとした時だ。
目の前で、白い輝きが放たれた。

「A!グリム!」
「シルバー先輩!?」

光と共に現れたのは、シルバー先輩。
私の瞳とは違うけれど、綺麗なオーロラ色の瞳が、私たちを捉える。

「ふなっ!?オメーはディアソムアの……」
「話は後だ!ふたりとも、俺に掴まれ。早く!」

ひどく鋭い声で呼ばれ、私たちはシルバー先輩の手を掴む。
離さんばかりに握られたと思ったら、彼の薄い唇が詠唱を紡ぐ。

「『いつか会った人に、いずれ会う人に……同じ夢を見よう(ミート・イン・ア・ドリーム)』」

それがシルバー先輩のユニーク魔法の詠唱だと気付いた時には、私たちは光に包まれていた。

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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (6月1日 14時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。42ページの【森】が【盛り】になっていました。 (6月1日 13時) (レス) @page42 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ああ、確かに似てますね! (5月29日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 来ました!更新!メインストーリーを読んでいると、鬼滅の刃無限列車編みたいだなぁと思いました。 (5月29日 14時) (レス) @page35 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 来ましたね!更新が再来週の月曜日になりますが、しばらくお待ちください。 (5月20日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年3月11日 2時

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