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EPISODE7-17 結構オペレーション! ページ37

夜になり、エースたちがオンボロ寮にやってきた。
きちんと着替えなどが入ったバッグが持ってきており、完全にお泊りモードだ。
すると、デュースとグリムが私の部屋の鏡の前で仁王立ちする。

「眠気覚ましの薬草茶も用意したゾ」
「ゴーストカメラも、スマホのボイスメモも準備万端だ!」
「「さあいつでも来い、ミッキー!!!!」」
「そう気合い入れて来るもんでもないしょ」
「むしろ逆に出てこなくなるわよ」

当人を差し置いてやる気満々な2人にため息を吐いていると、エースが冷静に状況分析する。

「Aがオンボロ寮で暮らし始めてから……ミッキーが現れたのって、5、6回なんだろ?」
「ええ、でも最近はよく会える気がするわ。留守中に現れた時もあったらしいし」
「たしか文化祭の後と、嘆きの島から返ってきた後に会えたんだよな」
「大体月1〜2回ってところか」
「長期戦の可能性も高いし、ゆるくいこうぜ。まずオレたちはこの学年末テストに向けた問題集解かないといけねーし」
「……問題集?」

そんなもの渡されたっけ?と思った直後、エースたちはテーブルに分厚い本を置いた。

「なんだぁ、その分厚い問題集?」
「外泊許可を貰うために、オンボロ寮で勉強会をするとローズハート寮長に言ったんだ。そしたら……」
「『良い心がけだね。これを持って行くといい。勉強会の後に採点してあげよう』……ってさ。ちなみにAとグリムのぶんもあるから」
「え゛」

エースがそう言った直後、さらに問題集が追加された。

「ゲ――――ッ!!いらね〜んだゾ〜〜〜ッ!!!」
「サボったら首をはねられるぞ」
「オレ様、ハーツラビュル寮生じゃねーし!」
「遠慮すんなって。ちなみにこっちにある3冊はジャックとエペルとオルトの分ね」
「ヒエ……逃げ場がねぇんだゾ……」
「あはは……」

でも実際、リドル先輩が用意した問題集ならいいものだろう。
グリムも観念して問題集に向き合うようになると、デュースは鼻息を荒くしながら言った。

「サマーホリデーの前の学年末試験は、進級がかかった重要な試験だ。今から真面目に勉強しておかないと、本当に留年するぞ」
「進級か……」

もうそんな時期なのかと思い呟いた直後、グリムがぴたりと動きを止めた。

「……もし。もしAが進級前に元の世界に帰っちまったら……オレ様、ひとりでこの学校に残れるのか?」
「「「…………………………」」」

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ブロッサム(プロフ) - ミアさん、ご心配しなくてもちゃんと更新できるよう準備は済んでおりますので。 (2023年3月6日 13時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - メインストーリーが更新されてますが、こちらの更新は大丈夫ですか? (2023年3月6日 12時) (レス) @page42 id: d9657aee6a (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ミアさん、ご指摘ありがとうございます。ですが、注意事項とリストの間に報告がありますので、そちらをご覧いただけると嬉しいです。 (2023年1月27日 21時) (レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - いつも楽しみに読んでます。ひとつ提案があるんですが、メインが更新されるまでイベントストーリーを書いたらいかがですか? (2023年1月27日 19時) (レス) @page42 id: d9657aee6a (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (2023年1月21日 17時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2022年12月19日 20時

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