＊ ページ44
トレイ先輩がオオナマズの口を強引に開かせたと同時に、私はグリムの足を引っ張る。
ズルーン！と音と一緒に、よだれでベタベタになったグリムが引っ張り出された。
「うぇ〜っ、やっと出られた！体中がベトベトする……！ひどい目に遭ったんだゾ……」
「だ……大丈夫か？まさか、オオナマズの口の中にいたとは……」
「くっそー！アイツ、オレ様を見て襲いかかってきやがったんだ！」
「本当に、すごい食欲だね。捕まえられる瞬間にも食べることを優先するとは」
「しかも、鳩より何倍も体が大きいグリムを狙ってたな……」
「きっとオオナマズにとってグリムは、食べ応えのある絶好の獲物だったんでしょうね」
「まあとにかく、無事でよかったよ」
グリムの無事を誰もが安堵していると、ちょうどゴーストが現れた。
「はい！サイエンス部、課題クリアだよ〜。『バルガスバッジ』を受け取ってね」
「ああ、ありがとう」
トレイ先輩がバッジを受け取る横で、グリムは自分の全身の臭いを嗅ぐ。
「くっせ〜……体からエビと虫と草のニオイがするんだゾ」
「撒き餌のパルファムだね。私は嫌いじゃないよ」
「オレ様は嫌なんだゾ！！」
「はは、ありがとな。グリムのおかげでクリアできたようなもんだ。そうだ。せっかく捕まえたんだし、テントへ運んでオオナマズを調理しようか」
そうしてオオナマズをキャンプ場に運び、トレイ先輩たちによって調理されていく。
意外にも手際がよくて、まさか動物の解剖とかしてるんじゃ……いや、やめておこう。深く考えじゃ駄目だ。
「よし。最後に、支給された塩で味付けをして……」
「おお、さすがトレイくん。かぐわしい鼻孔をくすぐるいい香りだね」
「はは。さすがって言われても、オオナマズの身肉をシンプルに焼いてるだけなんだけどな」
「いやいや、塩以外にも多数の調味料や香草を絶妙に組み合わせたこの香り……実に美味しそうだ」
ルーク先輩の言う通り、このオオナマズ料理からとってもいい香りがする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ツイステ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミア - 36ページのグリムのセリフ【サイエンス部】が【セイエンス部】になってます。 (2月23日 13時) (
レス) @page38 id: 2dc0a598d4 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます！ (2月12日 22時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。12ページのオルトのセリフ『きっと』が『樹ッと』になってましたよ。一瞬えっ？なにこれ？と思いました。 (2月12日 19時) (レス) @page12 id: bedc6476a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月9日 0時
