片割れの失踪 2 ページ2
貴「Aランクのリングを造るのと、Aランクオーバーのリングを造るのに、どういう条件の違いがあるんだ？」
正一「それは『石』ですよ」
貴「石？」
正一「どのリングにも必ずついている、属性色の石。言ってしまえばリングのランクはそれで決まります。
そもそも、リングの製造と言っても、僕たちが手を加えられるのは石の成形と土台部分の彫金なんです。リングの炎が石に灯る原理ってのは解明されてなかったんですよ。」
貴(そういや未来でラルさんは、リングから死ぬ気の炎を灯せることを『闇との契約』なんて言ってたっけ…)
正一「未来に置いて、ランクの低い鉱石はある程度造れるようになっていましたが、Bランク以上ともなれば石を造ることはほぼできませんでした。
僕が渡された偽物も、フェイクされていたのは装飾部分だけです。」
貴「じゃあリングを造る計画は…」
正一「あくまで『計画』です。
実際にはほとんど運行していない、破棄寸前のプログラムでしたよ。
リングは石がなければ完成しないが、Bランク以上の石は人の手では造れない。
だから僕や白蘭サンは、リングではなく匣の方を強化するために、ウルくんや修羅開匣のような技術を生み出してきたんです。」
人の手では高ランクのリングは造れない…か。
確かAランクオーバーのリングは、チェッカーフェイスたちが世界の礎の石から創り出したもの。
そのレベルの石を人間が手に入れ、ましてや加工するなんてのはタルボのじいさんくらいしかできないだろう。
貴「なら、やっぱり本物の可能性が高いか…」
スマホを返してもらい、オレは画面を見ながらそう呟く。
正一「Aさんは、星野コウって子を疑ってるのかい？」
貴「疑ってるさ」
キッパリと即座に言えば、正一くんは少し驚いたようにこちらを見る。
正一「Aさんってそんなに疑ぐり深いっけ？」
貴「そうだよ、最近は特にね。
君たちみたいに前の世界から知ってる人ならいざ知らず、ここ数日急接近した相手をすぐに手放しで迎えたりはしないさ。」
いくらコウちゃんと気が合うとは言っても、裏社会に関わることなら話は別だ。
正一「…裏社会は、優しい君には辛い世界じゃないか？仲良くなれた相手を疑う、そんな酷いことをしなくちゃいけないなんて…」
貴「…オレは、最初から信じてあとで裏切られることの方がずっと酷いと思うから。」
そう答えると正一くんは押し黙るように口を閉ざした。
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らっく(プロフ) - 今日もたくさんの評価ありがとうございました！更新増やさせていただきました〜 (2019年3月17日 21時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ラスクさん» コメントありがとうございます！ついにコウちゃんの正体が見え隠れしてきましたね〜果たしてミルフィオーレに何が起こっているのか、こうちゃんの目的はなんなのか。続きをどうぞお楽しみに！ (2019年3月17日 20時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
ラスク - こ、コウちゃん！？と口に出してしまいそう…それぐらい引き込まれました！続き楽しみにしてます (2019年3月17日 16時) (レス) id: e26ee02319 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 評価すごくうれしいです！ありがとうございます！お礼にたくさん更新しますので明日もお楽しみに！ (2019年3月16日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - さむらさん» ありがとうございます！ここから先は怒涛の展開ですのでお見逃しなく…ー (2019年3月16日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年3月15日 14時
