遠いSOS 2 ページ27
路地の奥には、今すれ違ったはずのスーツの見知らぬ男が立っていた。
オレはその前まで進み、男に話しかける。
貴「どうしたんだよ、幻騎士。」
オレがその名を言い当てると、彼の顔にかかっていた幻覚が解け、見覚えのある顔がこちらを見下ろす。
幻「お前に用がある。」
貴「んだよ、唐突に。
オレが何度連絡しても返事もよこさなかったじゃんか。
急に現れたと思えばこんなまどろっこしいこと…後ろの2人もお前の連れか？」
幻「…あれは、我々の敵だ」
貴「！」
状況を理解したオレを見て、幻騎士は手を引く。
幻「この先に車が待っている。
それに乗れ」
貴「お前は？」
幻「俺は追っ手を撒く」
行き止まりだったはずの壁に穴が空き、オレはすぐにその中に向かって走り出す。
少しして暗闇を抜けたかと思うと、そこには見慣れた道路に黒い車が止まっていた。
オレはその後部座席に飛び乗り、前の席を見る。
貴「ジル！オルゲルトさん！」
ジル「出せ、オルゲルト」
オル「はっ」
オルゲルトさんが車を出し、オレたちは町の外れへと向かっていく。
貴「どうしたんだ、急に。なにがあった？」
ジル「今、俺らの間でやっベーことが起きてんのよ。」
貴「…『俺ら』ってのは、なにを指してる」
ジル「ユニ様と白蘭様のことだ」
貴「！」
薄々感じていた嫌な予感が的中し、オレは詳しく聞こうと、シートベルトも止めずに前のめりになる。
貴「どういうことだ！白蘭とユニちゃんは今どこに…」
ジル「生憎、白蘭様は数日前から連絡が途絶えててな…ユニ様は今から俺たちが向かう先にいる」
貴「ユニちゃんは、無事なのか？」
ジル「無事だ…白蘭様が命懸けで守ったからな」
日本にいないはずのユニちゃんがここにいる。
そして、そのユニちゃんに会いにいったはずの白蘭が行方不明になってる…。
オル「入江正一様とそのご家族も、別働隊がすでに保護を始めております。」
貴「なぜ、彼まで…？
彼はマフィアではない一般人だぞ」
ジル「そんなのもう関係なくなってきてんだよ、俺たちの敵にとってはな。」
そういうと、ジルはこちらを見て端的に告げた。
ジル「花村。今敵と俺たちの間で行われてるのは一方的な暴虐…狩りだ。
『元ミルフィオーレ』だった人間が続々と狩られてんだ」
貴「ミルフィオーレ…狩り…？」
思いもよらぬその言葉を、オレは飲み込むことができなかった。
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らっく(プロフ) - 今日もたくさんの評価ありがとうございました！更新増やさせていただきました〜 (2019年3月17日 21時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ラスクさん» コメントありがとうございます！ついにコウちゃんの正体が見え隠れしてきましたね〜果たしてミルフィオーレに何が起こっているのか、こうちゃんの目的はなんなのか。続きをどうぞお楽しみに！ (2019年3月17日 20時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
ラスク - こ、コウちゃん！？と口に出してしまいそう…それぐらい引き込まれました！続き楽しみにしてます (2019年3月17日 16時) (レス) id: e26ee02319 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 評価すごくうれしいです！ありがとうございます！お礼にたくさん更新しますので明日もお楽しみに！ (2019年3月16日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - さむらさん» ありがとうございます！ここから先は怒涛の展開ですのでお見逃しなく…ー (2019年3月16日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年3月15日 14時
