【原神×FGO】美しき竜女は朽ちる果てに、 (ページ3)

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二話ページ3

＿＿岩神モラクスの治めた広大な地、璃月。

契約を重とし、凡ゆる民や異国の者が切磋琢磨と歩みを動かすこの地でとある男4名、非常食一匹が月光照らす月明かりに高速で走り抜ける。

1人は酒を片手に、1人は槍を携え、1人は意気揚々と頬を上気させ、1人は遅れる一匹を背負っている。

「＿＿何でさー！折角林檎酒1瓶開けようと思ってたのにぃー！！」

「喧しいぞ、バルｯ……飲兵衛詩人！先程の地鳴りを上げる程の【元素量】が前触れも無く現れて居るんだぞ、！」

「鍾離先生ってそんな風に怒るんだね！軽く怒らせて手合わせに引き連れたいよ。って、…相棒ー！」

「…っはぁ、はぁ！！パイモン痩せなよｯ、」

「上手いもんばかりだからしょうがないだろーぉ…！！！」

そう、上から順にウェンティ、鍾離、タルタル、空、パイモン(非常食)の4人と一匹だった。

彼らは、先程突如として現れた元素の塊の様なものを元素視覚から探ってスイートフラワー、岩スライムをも吹き飛ばす程の速度で走り回る。

山越え、谷越えて二神以外は汗をダラダラ掻いて息を切らしていた。

「……む、旅人に公子殿。そろそろだ」

ザザザザｯ、と片脚にブレーキを掛け鍾離は前を見据えて居た。

「……ねぇ、じいさん。アレって竜系のものじゃない？トワリンに似てるけど、桁違いだ」

流石のウェンティも同じくブレーキを掛けて睨む様に前を見つめ、タルタリヤと空、パイモンはピリついた空気を感じ取りその一行は前へと進む。

森林をどうにか抜け出し、月が差し込む大地に神秘的な程美しい黒竜を見つけ出す。

全体的には機械の様な身体を持って居るが其れでも尚美しく、孤高の存在であると疑わない程＿＿

明らかに、竜と言う概念の王。

竜は高らかに、鈴が転がる様な声音を響かせた。

【誰だ。即刻立ち去りなさい】

見るからに不機嫌そうな圧にパイモンは既にノックアウト。空、タルタリヤに関してはオセル等に慣れている為か其処迄影響は無く、タルタリヤに関しては弓を携え、それを食い止める空の絵面。

鍾離がすかさず前へと足を踏み出し、竜へと問いかける。

「＿＿＿古龍殿、落ち着いて欲しい。貴殿は何をしに此の地へと降り立ったのだ。」

その言葉の反応次第で戦闘にはなりかねないと腹を括って問い掛ければ、竜は何も答えずただ見詰めるだけだが、それすらも見入ってしまう。

其れを見兼ねて、今度は詩人が鍾離の隣へと踏み立った。