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シンクに押し付けられた体に反し、強引な力で引き寄せられた私の頭部は、がっちりと逃げられないように捕まえられていた。

視界の端に写った黄色のさらりとした長い前髪が、形が変わるくらいに私の額に擦り付けられている。姿形を第一に気にする彼らしくなく、性急で激しい要求に、私は反射的に目を瞑った。

激しくなっていく水音。ふと触れる歯。上がっていく体温。全てが彼の余裕のなさを告げている。


「……ふ、んぅ…」


口の中にぬるりとした熱い彼の舌が入り込んでくるのが、嫌でもわからされる。

彼の舌が上顎を伝い、舌を絡め、喉の奥まで熱を送るのかというくらいに口内を貪っていく。なんて容赦のないキス。すごく苦しい。くらくらする。

そんな激しい繋がりに涙目になりながらも、酸素を求め、彼の舌から逃げようともがく。
……が、そんな逃げをものともせず、むしろその抵抗を咎めるようにキスはさらに深くなった。


「……っぁ、ふ……りょ、た……く、も……っ」


一瞬離れた隙に限界だとなんとか訴える。もう無理。足の力も無くなっているし、立っているのだってままならないくらいなのだ。

限界の意を示そうと肩を叩こうとしていた腕が、力を失いずるずると涼太君の腕に落ちていった。もう力がどこにも入らない。ぐったりと芯の失った体が涼太君に支えられている。私の体の主導権は確実に涼太君が握っていた。


「っは……、俺が怒ってるって、わかった?」


俯いていた顔をのぞき込まれる。艶やかに光る濡れたその唇は、目に毒だ。それに涼太君の瞳も。蜂蜜色のそれはやはり怒っていたが、先程よりもなんだか熱が上がっている気がした。

くたりとした頭をなんとか動かし、ひとつ頷く。
お互いの荒い息が混じり合うのすら私の体を熱く火照らせた。


「わか……った。だから、もう……っ」

「……わかったなら、尚更っスね」

「…………え?」

「アンタのことだから、明日何も出来なくなるのが嫌だったのかもしれないけど…………嘘ついて逃げた罰。

____明日も明後日も立てなくしてあげる。」


狼になったその瞳を光らせ、白い喉をごくりとならす。
お腹の空いた狼が、これ以上ないほどに妖艶に微笑んでいる。


もう逃げようとすら思わなかった。


この狼に食べられてもいい。だから。



________甘い時間を、頂戴。









____狼系彼氏END____

お姫様は選択肢を間違えてしまった。【黛千尋】→←7



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鎖月零(プロフ) - Flower*さん» flower!ありがとうございます!!短編の夢主は同じ夢主で書くのが普通だということを今の今まで知らなくて……全員バラバラにしてしまいました(笑)私も短編の方が書きやすくて軽くかけるので楽しかったです!続編頑張ります! (2018年2月26日 18時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 1完結(?)おめでとうございます!甘々で読んでてドキドキしてしまいました(*ノωノ) それぞれのお話の夢主ちゃんたちも個性豊かで面白し、何より短編なので読みやすいです。やっぱり零すごい……。続編の方も首を長くして待ってます! (2018年2月24日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» めっちゃ楽しみにしてます!!! (2018年2月18日 18時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 黛パフェさん» うそぉ……本当に恥ずかしいです(笑)規制かかる系の甘々はあまり得意分野ではないのですが、楽しんでいただけると幸いです……!甘くなるように頑張ります (2018年2月18日 18時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» 今でもたまに見たりしますよ!黄瀬くんの好きですー!規制とかあまり気にしないタイプなので別のアカウントで見に行きますねー! (2018年2月18日 1時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鎖月零 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月17日 17時

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