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「友だちがピンチかもしれねぇ」
そう言った焦の言葉は小さかったけれど、しっかりとエンデヴァーに届いたようで走り出した焦凍を追いかけるのはAしかいなかった。
「焦凍！ここ路地裏だ…ヒーロー殺しかも」
「…かもな。」
走り出して暫くすると人気のないビルや路地が出てきた。音のする方へ走ると倒れている二人が、しかも飯田には刃が向けられているのが目に入った。
隣から舌打ちが聞こえると次の瞬間氷と炎が飯田を襲う犯人、ヒーロー殺しへと向かって行った。
「次から次へと今日はよく邪魔が入る」
「出久。こういうのは詳しく書かなきゃ！」
「わりぃ、二人とも遅くなった。」
ヒーロー殺しから目を話すことなくぶわっとAは炎を纏った。視界の端で飯田が、悔しそうに焦凍とAの名を呟いた。
「な。何で君たちが…」
「何でってこっちの台詞だ。数秒考えたよ」
「出久は意味なくする人じゃないから」
ひょっこり生えた耳それと尻尾でふわりと地面を撫でるとヒーロー殺しにむかってAは走り出し、炎と風で応戦を始めた。そのタイミングで焦凍は地面を凍らせ、その後炎で氷を溶かし出久と、飯田、そして、倒れているプロヒーローを自分の後ろまで転がす様につれてきた。
「大丈夫だ、数分もすればプロヒーローが現着する」
「二人とも！そいつに血ぃ見せちゃダメだ！多分、血の経口摂取で、相手の自由を奪う」
「それで、刃物ね。了解」
Aは職場体験で発案した風の膜を倒れている３人に施した。これで、地面と直接当たらない分焦凍も動きやすく、かつ防御にもなる。３人にしている間、焦凍は刃物を投げられ姿勢を崩したところで襲われかけていた。
それを氷の壁で遮ると蒸気を出しヒーロー殺しに距離を取らせ氷の壁を作った。Aはそのまま、風を吹かせ地面を蹴り大きく上へと飛んだ。それに合わせて焦凍は氷を自然に伸ばした。
「っぶねぇ」
「なぜ。やめてくれ。兄さんの名を継いだんだ。僕がやらなきゃ、そいつは僕が」
「継いだのか。おかしいな。俺が見たインゲニウムはそんな顔じゃなかった。お前んちも色々あるんだな」
目の前にできた氷の壁にヒーロー殺しはニヤリと笑うと視界を遮った焦凍の腕にナイフを３本突き刺した。死角にいたAは上に高くとんだヒーロー殺しの後ろからビルに叩きつけるように投げようとマフラーを掴んだ。
「A！」
「っ！？…あぶな」
「お前…良い」
ヒーロー殺しは笑った。
続→
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作者名：唯星 | 作成日時：2017年12月20日 21時
