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16時の書庫〈過去〉3 ページ9

16時の書庫〈過去〉


ふらふらと浮きながら二人を追いかけていると図書室へとついた。

「ほんとに調べものだったのかな?」

すぅーっと扉をすり抜けて図書室に入ると光と寧々の話し声が聞こえた。

「蝶が止まったところに扉が...
もしかしてこれが16時の書庫?」

恐る恐る扉を開けて入っていく姿が視界に入る。

「五番の境界だったかな?
ほんと自分達から怪異に近づく子達だね」

二人の様子を見て一人呟くと二人と同じように扉へと向かう。
そして目の前に広がる境界の姿に驚愕している寧々と光の後ろに立った。

「なにしてるの」

少し呆れたような声で話しかけると二人は驚いて振り替える。

「Aちゃん!なんでここに?!」

「二人が少し怪しいなあって思って後をつけたの!
自分達から怪異に関わろうとするとかダメじゃない!
なんかあったらどうするの?!」

怒りながらも心配するAに"ごめんなさい"って呟くと"調べものがあって"と言いにくそうに二人がいう。

「花子くんのこともっと知りたかったの...
こんな裏技みたいな方法で知るのはダメかなって思ったけど...
もっと花子くんとAちゃんのこと仲良くなりたい。
もっともっと色々知りたいの」

ぽつぽつと話し出した声に強さが増してくる。それほどまでに寧々の中の思いは大きかった。
沈黙をするAをじっと見つめる二人。

「あんまり長居は出来ないからね」

Aがため息混じりで言うと二人の顔が明るくなり、書庫の中を駆け出した。

「普のこともっと知りたいってさ。
良かったね。

二番ほどとは言わないけどやっぱ拒絶されているんだろうな...
耳なりがする」

ここにはいない人を思い浮かべて一人書庫をウロウロする。ふと見上げると黒い背表紙の名字 Aと書かれた本が立てられていた。
それを手に取りページを捲っていく。

"かもめ学園中等部へ入学"

"クラスで柚木普と隣の席になり話しかけられる"

「俺、柚木普って言うんだ」

普は無邪気に笑いながらAに話しかける。

「普くん?よろしく
名字 Aだよ」

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璃炎(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます。出来るだけ早く更新していけたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (レス) id: 138083c01a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 続き気になります!体調気をつけて更新頑張ってください! (2020年3月7日 1時) (レス) id: fbc5b8317e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:璃炎 | 作者ホームページ:http://nanos.jp/lampyridae/page/1/  
作成日時:2020年2月9日 11時

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