16時の書庫〈過去〉4 ページ10
16時の書庫〈過去〉
「普！一緒に帰ろー」
あれから何度も話すうちに仲良くなっていた普とA。
クラスでは付き合う秒前とか弄られることもあるけど心地悪いものじゃないことになんとなく気づいている。
「いいよ。ちょっと待ってね」
日直だったみたいで、日誌を書いてる普が返事をする。みんな部活か帰宅したのか誰もいない教室に入ると普の前の席に座って日誌を書く普の姿を見ようと後ろを振り返った。
「普。髪、綺麗だね」
ふと視線の先にある夕日に反射してキラキラ光る髪の毛を撫でるようにさわるとサラサラ溢れる。
"やめてよ"と照れたように嫌がる普にクスッと笑うと嫌がらせのように触り続けた。
「私すきだけどなぁ」
触りながら言う姿に普が目を丸くするのがわかる。
「普の髪の毛のことね」
サラッとかわす私に慌てたようにする普。しばらく無言だった普にやり過ぎたかな？って表情を見ようと下から覗き混むと、急に近づく普。
「俺はA好きだよ」
不意討ち成功って言うかのようにニヤリと笑う普に顔が赤くなる。
「俺の勝ちー」
ゲームをするかのようにいう普に本心がわからなくなる。
「馬鹿にしたのー！
もう！日誌終わったなら帰るよ！」
勢いよく席を立つと怒って普に帰る準備をするよう声をかける。笑いながら"はいはい"とかいう余裕さに少し苛立ちながら一緒に校舎から出て歩いていくうちに一緒に居ることの楽しさで苛立ちがどうでもよくなる。
「じゃあまたね」
いつもバイバイと手を振る場所につくとどちらかが声をかける。
いつも通りのルーティン。
「あっ」
普が呟くと手を振る動作をやめる。"なに？"って聞き返す私に少し目線を逸らして挙動不審。
「あのさ、さっきの冗談とかじゃなくて...」
歯切れの悪い言葉に"さっきの？"って聞き返すと同時に思い出す教室での出来事。顔に熱をもつのがわかる。
無言の二人をせかすようにカラスがカァカァと鳴く声が響く。
「だからさ...えーっと
返事いつでもいいし付き合ってくれると嬉しいんだけど？」
目を泳がせながらいう普にドキドキする。
「あれー？普じゃーん！」
バタバタと走りながらやってくるつかさに普が慌てる。
「じゃあっそゆことだから！
またあした！」
つかさを置いてダッシュで走る普に"普！"って呼び掛けても聞こえやしない。
「A？普と付き合うの？」
少し不気味に笑うとヘラっと笑いながら"お幸せにー"なんてチョケながら帰っていく。
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璃炎(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます。出来るだけ早く更新していけたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (
レス) id: 138083c01a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 続き気になります！体調気をつけて更新頑張ってください！ (2020年3月7日 1時) (レス) id: fbc5b8317e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃炎 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/lampyridae/page/1/
作成日時：2020年2月9日 11時
