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「着きましたね」

「うん……って何食べてんの」

「さっき店街で買った甘いものです。ランギルスくんも食べますか?」

「いらない」

「じゃあ全部私が食べます」

「太るよ」

「困ります」

「…はぁ、半分ちょうだい」

「どうぞ」

「……あっま」

「カップケーキですから」



上級魔法騎士とは思えないほどの和やかな会話。

そもそもランギルスという青年は和やかとは言いがたい性格だが、彼女相手だとどうも狂う。

狂う気持ちに気がつくのはもう少し後の話。


時間になって団長が全員集合した瞬間、ワアアアっと観戦があがった。



「やっぱりウィリアムさん達人気ですね」

「そりゃ団長だから当然でしょ」

「アンチドリ可愛い……あの男の子いいなぁ、私全く懐かれません。他の動物は寄ってくるのに」

「アンチドリに懐かれたらそれはそれで問題があるけどね」



見たところ下民らしい男の子が彼女の目に留まった。

なんか凄い数のアンチドリが寄っている。

何羽かその男の子の特徴的な頭に住みつきそうな勢いでとまっている。

あとは結構攻撃している。



「魔樹降臨」



ウィリアムの魔法により、各々の試験対象の人達の手には箒が降りた。

いつ見ても綺麗な魔法に、Aは思わず見惚れた。

入団試験の第1次は、箒で空を飛べるか否かの基本的はものである。

基礎中の基礎ではあるが、これで大体の人のセンスが分かる。



「今年は…なかなかなのが数名いるな」



その中の1人の男の子は、先程アンチドリが1羽も寄っていなかった者だ。

箒の上に両足を置いて上手くバランスを取り、高く飛んでいる。



「凄いですね……私は初めて箒乗ったときは止まり方分かりませんでした」

「よく魔法騎士になれたね」

「……10年以上前のことです」



自分で自分の墓穴を掘ったAを鼻で笑ったランギルス。

思わず赤くなった顔を両手で覆った。

両手の隙間から見えたのは、会場の地面でずっと同じ体勢で構えて飛べていない男の子。

先程アンチドリが物凄く寄っていたので、同一人物だとすぐに分かった。

魔力感知が得意なAは、全く魔力を感じないことから、もしかしたらこの男の子は魔力が生まれつき持っていないのではないかと思った。



「(じゃあどうして魔導書を持っているんだろう…?)」



彼女が抱いた疑問は、後に答えが出ることになる。

・→←魔法騎士団入団試験



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HANON(プロフ) - Ame931さん» ほんとそれですね!コメントありがとうございます (2022年6月19日 12時) (レス) @page36 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
Ame931(プロフ) - ゴーシュが恋愛やってるように見えないのめっちゃ分かるわ〜 (2022年6月19日 9時) (レス) @page36 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
春川みやび(プロフ) - ありがとうございます( ; ; )後回しで構いません!無理しないでください、、!応援しています!^ ^ (2019年2月16日 13時) (レス) id: 1c145295b7 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - 春川みやびさん» リクエストの方なんですが、今書いてもご期待に添えられるようなお話にはならないと思うので、続編に入って最初の方は本編を書かせていただきます。本編が一区切りついたら番外編を書こうと思うのでもうしばらく待って頂けると幸いです。大変申し訳ありません。 (2019年2月15日 20時) (レス) id: 10bafabdf4 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - ありがとうございますo(^o^)o自分でリクエストしながら、すっかり忘れてました、、、、。(笑)m(__)m (2019年1月22日 19時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HANON | 作成日時:2018年10月8日 16時

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