116:加速エモーション ページ23
【感覚ピエロ】
君は覆い被さってる僕の方を見てくれない。
ぼけーっと空を見上げたまま。
「(正直、何が楽しいのか分かんないし)」
てゆーかさ、僕みたいなイケメンが体をピッタリ密着させてるのに。
無反応って可笑しくない?
だからワザと、放り出された君の体に軽く体重をかけて、視界を塞がない様に耳元で低く小さくおしゃべりしようと思った。
顔を近づけたら吐息が耳にかかって擽ったいのか、僕の下で君はもぞもぞと体を動かす。
「(ちょっと…この反応は)」
息子も元気そうで何より。
誰のは言わない。だって僕は最強だから。
大人の色気ってのを君にも教えてあげないとだし。
「…A」
君が耳で孕めば良いなって思ってさ。
僕は吐息をたーっぷり含ませてさ。
名前を呼んだのにさ。
「……な゛に゛〜」
「(ヤギの鳴き声した)」
色気もへったくれもない声が返ってきて、体から力が抜ける。
もう無理やりにでも色っぽい声を出させてやろうかって、
「……ごじょ〜」
「(また鳴いた)」
「……重い゛〜」
ちょっと元気が無くなっちゃったけど、まだ大丈夫。
だけど僕のやりたい事がベッドの上でプロレスごっこになりそうだから、君の手を引っ張って起こす。
手を繋いだまま向かうのは外。
「学長、鍵は硝子が持ってるから」
「何処へ行く」
「僕の可愛い生徒たちのとこ」
適当な説明だけどOKが出た。
今は枷を外せない状態だし、君を任務に出すのなら会っておく必要がある。って事。
付き合いも長いんだからこの辺の理解は早くって助かる。
これは真面目な話。
君にも僕の仲間になって欲しい。
その為の初めの1歩。
空ばっかり見る君に見せつけたいのは僕の可愛い仲間。
今日は誰が居たかなぁ何て考えながら君を引っ張って、スタスタ廊下を歩く。
「五条、足長い」
「……ごめんね」
首を擡げた自分を押さえつけたくて。
逸る気持ちを抑えられなくて。
僕の歩くペースが早いって君が主張する時の言い回し。
「(これもアイツが教えたやつ)」
懐かしいじゃない、素直に嫌だなぁって思った。
体もそれに反応してその場に立ち止まる。
「(僕らしく塗り替えたい)」
「…どうしたの?」
「んー?ちょっとねー…」
生徒たちの教育も勿論なんだけど、僕は教師だし。
それでも君の再教育の方が大変そうだなって、何となく。
「(絶対にアイツが現れないようにしないと)」
不思議そうに首を傾げて僕を見上げてくれるのは嬉しい。
今だけは僕だけを見ててくれるのが凄く嬉しい。
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ゆきみ大福(プロフ) - 七海建人は語る (2021年4月20日 7時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - ルナさん» 初コメ!餌やりありがとうございます!!読んで下さってる人、居たんだって泣きそうです。 (2021年4月16日 1時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしてます…! (2021年4月15日 21時) (レス) id: a28f1e7c3c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - 早速来た。低評価荒らし!笑あざすー (2021年4月11日 14時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきみ大福 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mutsuki159/
作成日時:2021年4月10日 22時