0029:Blue Pandora Box ページ30
【GRANRODEO】
｢不良品を渡したか…？｣
｢違う。たぶん｢〈チューしよ〉｣
最初は自分の傀儡師としての腕を疑った。
お前の傍に置いた他の呪骸やパンダにはここまでの影響は無かった。
それはパンダをお前とほぼ同じ構造で作ったからで、お前には昔のパンダと今のパンダが違う事も見た目で分かっているはず。
｢…何が｢〈チューしよ〉｣
｢俺のせい。話しすぎた｣
『起こったのか』みなまで言わずとも答えはあったが、この今の状況はどう理解したら良いのか分からない。
｢傑の魂は自分の匣に入ってないから｣
説明は曖昧だがお前の事を知っている私には辛うじて理解出来る。
充分過ぎるほどに上層部の興味を惹き付けた、口に出してはいけないお前に関しての資料の内容は、私の傀儡操術の核心だった。
｢(ただし、お前は呪骸では無く人間に魂を宿した)｣
そもそも傀儡師や人形に共通する最終的な目標は"創造主への挑戦"。
物に魂を篭め、神が人を創った様に人が神を創る事にある。
人為的に人の成り立ちから外れた、人より高次の神にも人にも近い存在を創造し、人が創造主として上に立つ。
そう考えると死体に魂を篭める死霊操術や口寄せにも共通する部分はあるが、私はそれを利用してパンダを創り術師としての頂を登った。
｢(しかし、その更に上にお前が居る)｣
元よりは古来の因習として生贄として捧げられながらも、即身仏とならなかった肉体がかつてあり、それが天元様の術式に似た何かであると考えた者がいた。
1番古い文書は母からの手紙。
朽ちかけた旧漢字で綴られたそれは五条に伝えた通り。
他の文書にあったのは、結界内では不死の術式を持つのであれば引き摺りだし、敢えて星漿体を用意せずより高次の存在へと昇華させて殺す。
その肉体を受肉すれば天元様に成れる。
結果は失敗だが理由は何かの縛りと、誰も感知し得なかった天与呪縛のせいであると私には分かった。
『…生贄だから死んだ。死んで呪いに転じた…生得領域に触れて生き返った』
星漿体の護衛任務に失敗した後にお前が話した事は、当時の私に疑問を持たせるのにも充分だった。
『普段のはただの呪力操作…縛られた負の感情を持たない。死と老いの恐怖も無くて完成した』
『これは俺を、収める匣だと…』
伏せて、隠された正体は分からない。
しかしAはただ神に祈る為の生贄では無く、神に成り変わる為に全てを捨てた。
人として人の為に、神か何かを納めた匣か、傀儡か。
｢…話の続きだ｣
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ゆきみ大福(プロフ) - ボブさん» コメントも評価もありがとうございます。文章力が足りなくてすみません(´；ω；｀)分からない所を教えて下されば！解説作ります！ (2021年7月30日 22時) (
レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - お話少し難しいけど、読んでいて楽しいです！毎日更新楽しみにしながら過ごしています！星の一番右端押しました！！ (2021年7月28日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - 絶対に出て来るなぁ。笑える。低評価あざーす (2021年4月28日 12時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきみ大福 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mutsuki159/
作成日時：2021年4月27日 23時
