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高尾くんとお茶をした次の日。
 だいぶ歪んだフィルターがかかっている状態の友人達に、昨日の出来事を根掘り葉掘り聞かれるであろうことに対する私の憂鬱は、杞憂となり霧散することとなる。当の彼女達は昨日再放送されたごくせんに夢中で、私の話などすっかり頭から抜けていた。

「マジで仁亀最高すぎるよ〜」
「私亀映るたび泣きそうになってた。イケメン過ぎて」
「Aどっち派?」
「……赤西かなぁ」
「仁派ねー! ふざけてんのに一目置かれるくらい喧嘩強いっていうのがマジいいよね」
「ねー」

 友人には同意しておいて申し訳ないが、正直第一シーズンの松潤の方がタイプである。

 何はともあれ、こうして私は彼女達の追求から逃れる事が出来た。
 身近のゴシップの種の存在すら霞ませる平成中期ドラマの話題性に内心手を合わせ、そのまま頭の中から抜けかけていたのも束の間、この話題は意外な人物によって拾い上げられる事となった。

「どうだったんスか?」
「なにがー?」
「昨日の」

 それは放課後。ホールルームが終わってすぐ後「マジバで一緒に勉強しないッスか」という誘いを快諾して向かったはいいが、この人全然勉強始めないなと思いながら教科書をパラパラと眺めている時だった。

 皆までは聞かれなかったが、黄瀬くんが何を聞きたいかはすぐに理解し、枕詞に低く「あ〜」と声を漏らした。

「どうもなかったよ。ケーキご馳走になってちょっと話して帰った」

 すぐに付け加えた「てか勉強しないの」という私の言葉を華麗にスルーし、ガラケーをいじりながら黄瀬くんは口元を緩く上げて昨日の様なトーンで「ふーん」と返す。

 マジバ、と名前は変わっているが味は前世のマックそのまま。あんな経験をしたのだからきっと神様はいるのだろうけど、ディテールは結構雑だな〜なんて思いながら、前世と同じ味のナゲットを一つ口に放り込んだ。
 バーベキューソースの味まで同じじゃん、と頭の端で考えながら教科書から目を離した未だにガラケーに眺めた体勢の黄瀬くんを見た。

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設定タグ:黒子のバスケ , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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牛タン(プロフ) - アンパンさん» コメントをいただきありがとうございます。そう言っていただき光栄です。度々話のキリが悪い更新の仕方ですが、温かく見守っていただけますと幸いです🙇 (3月1日 23時) (レス) id: 68be7e4af6 (このIDを非表示/違反報告)
アンパン - めっちゃ文章が好きです!!これからも更新楽しみに待ってます (3月1日 15時) (レス) @page20 id: 2d65495c60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:牛タン | 作成日時:2024年2月27日 9時

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