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暦は5月。
 この月の良いところは、その過ごしやすい気候もさることながら、一番は第1週に祝日が集中して存在しているところである。

 通称ゴールデンウィーク。
 その連休のとある日。私はクラスメイトの女の子数人とショッピングモールに来ていた。
 この1ヶ月、たまに廊下で見かけるド派手な髪色に興奮はしながらも普段通りに過ごしているうちに、なんだかんだ決して少ない数の友達が出来た。

 最初この会に誘われた際、女の子のうちの1人に「黄瀬くん呼んでよ」と言われ、もしかしたら黄瀬要員として誘われてんのかなと不安にはなったが、「モデルの仕事あるんだって」と言うと「へー」と興味がなさそうに返された。冗談だったようだ。
 一応、今日集合の段階で他の子を待っている時にその子に「私最初黄瀬要員かと思った」と言うと、「ごめんごめん、冗談だよあれ。実際コスメ見に行く日に黄瀬くんいるの気まずいっしょ」と返された。
 冗談といいコスメといい、今の中1ってませてんなーなんて思ったものである。

 キャンメやセザンヌやケイトなどのプチプラの棚を眺め、私も前世高1くらいにこういう会やったな〜と懐かしみながら「Aマスカラ何使ってんの? 今日まつ毛上がってんね」と言う友人に「ヒロインメイクだよ〜」と返す。
 この世界で唯一と言っていいほど困ることは、前世愛用していたコスメブランドの多くがこの時代にはまだ生まれていない事だろう。
 韓国ブランドに支配された前世のコスメコーナーを懐かしみながら、「お手洗い行ってくるね」と輪を離れた。

 例によって校則がゆるい帝光中学校だが、化粧に関しても同様で特に禁止はされていない。その為中1ではほとんどいないが、派手めな雰囲気の中2中3くらいの子だとガッツリ真っ赤なリップや濃いアイシャドウを付けている子もちらほら見かける。
 私も前世はすっぴんでは決して外を出歩かないポリシーで生きていたが、今世は幸いメイクをしていない状態でもまあ許容範囲だと思える程度の顔面に恵まれている為、学校の日は化粧をしていない。眠い朝の時短にもなるので、大変助かっている。

 つくづく良いセカンドライフだ。パウダールームの鏡で少し滲んだアイラインを小指で取り、化粧室を出る。

 まだ皆あの店にいるのかなとポケットからケータイを取り出そうとした時、不意に視界の端にベンチに座る涙目の女の子が映った。

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設定タグ:黒子のバスケ , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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牛タン(プロフ) - アンパンさん» コメントをいただきありがとうございます。そう言っていただき光栄です。度々話のキリが悪い更新の仕方ですが、温かく見守っていただけますと幸いです🙇 (3月1日 23時) (レス) id: 68be7e4af6 (このIDを非表示/違反報告)
アンパン - めっちゃ文章が好きです!!これからも更新楽しみに待ってます (3月1日 15時) (レス) @page20 id: 2d65495c60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:牛タン | 作成日時:2024年2月27日 9時

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