【痒】 ページ11
.
.
和
「うっわ。
めっちゃいい匂いするんだけど(笑)」
.
滅多にキッチンで姿を現さない
俺の家には珍しい可愛らしい鍋で
何かを煮込んでいるAの隣に立つと
.
『でしょ？(笑)
カレー…好き？』
.
ふわっと香る。
カレーの香ばしい香りと
俺の大好きなカシスの香り。
.
和
「好き」
.
お玉で鍋を混ぜるその横顔をまっすぐ見つめ
俺の想いを口にするが
.
『私も』
和
「…ぇ？」
.
緩く結んだポニーテールを揺らし
俺を見た君の瞳に
不覚にも俺のほうがドキッとした。
.
『私も好き、カレー(笑)』
和
「(笑)」
.
だよな…
んな訳ないよな…って
少しでも期待してしまった自分に苦笑した。
.
グツグツと煮立ったカレーを
小皿に注いで味見する君が
.
『うん。美味しい(笑)』
.
ふっと笑う。
ポニーテールにしたとことによって露わになったうなじ。
自宅から持ってきた朱色のエプロンを着ている姿。
.
和
「……」
.
やっぱりどこか幻想的で
非現実的で
嬉しすぎて
俺が受け入れきれていないだけかもしれないけど
ふわふわしたこの感じが
どこかもどかしくて、歯痒くて
.
和「A…」
『…ん？』
.
君を手に入れたい衝動にかられるんだ。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜希子(プロフ) - 続きってあるのでしょうか。HAPPYになって欲しいです。 (2018年12月6日 10時) (
レス) id: 7fa4b72743 (このIDを非表示/違反報告)
亜希子(プロフ) - 悲しく終わるんですね。 (2018年12月6日 10時) (レス) id: 7fa4b72743 (このIDを非表示/違反報告)
すみ翔(プロフ) - ほんとに夢のような感じのふわふわしていて面白いです！ (2014年12月16日 1時) (レス) id: 663654fdad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美翔 | 作者ホームページ：http://bokuradakeniwakaruyouna合図//mika
作成日時：2014年7月29日 14時
