84.WHICH ページ2
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和也「早く決めろよ」
「正直どれがいいのか全く」
和也「あ、どれもカズくんがイケメンすぎて困っちゃうって？しょうがないなぁ、うめちゃんは」
「………ハハハ。」
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作り終えたオムライスを美味しそうに頬張りながら、床に陳列されたうちわを見て悩む私を見ては愉快そうなカズ。
ソファに座って優雅なことで。
一方、私は眉間にしわをよせてアイドルスマイルを浮かべている何人ものカズを見下ろし腕を組んで吟味。
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ーーーー…『なんでカズのうちわなんか持っていかなきゃなんないの！』
和也『なんかってなによ。どう考えたってAは俺のうちわでしょ！』
『後輩が櫻井さんのうちわ用意してくれてるからいいの！』
和也『じゃあ今すぐその余計なことをしてる後輩にLINEしろ！“二宮くんのことが好きになっちゃった”って！』
『そんなすぐ好きな人は変わりません！』
和也『あ？この部屋買ってやったのは誰でしょうかね？』
『ズルい。それはズルい！』
和也『わかったんなら早くこの中から選べや！』
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半ば強引的に決められた、うちわ問題。
言われた通りLINEすれば『え！梅宮さん本当ですか！？ニノになったんですか！？やだ！黄色の服お揃いにしましょうね！♡』なんて
…ご丁寧にハートマーク付きの上機嫌な返信がやって来た。
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「…ええい、もうこれにする！」
和也「お。決まった？」
「これが一番カッコいい」
和也「へえ。この俺が好みなの？」
「この中だったらね！これだけ貰うから他しまって！落ち着かないカズの顔ばっかで」
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一枚だけ手にとって、棚に入れる。
カズは「へいへい」って言って他のうちわたちを段ボールに詰め込む。
……あんなたくさんのカズに見つめられたりなんかしたら写真だってわかっててもちょっと恥ずかしい。
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やっと落ち着いた。カズの隣に座って自分用のオムライスをいただきます。
もぐもぐしてると、既にオムライスを食べきったカズがビールを飲みながら
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和也「ね、そのオムライス俺のと違うの？」
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って子供みたいに目を輝かせる。
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「え、うん。私ケチャップよりデミグラスが好きだから…」
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そう言った矢先、世界がひっくり返った。
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