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118話「流れ星に出会う」 ページ18

振り返る。3人の少女がいた。
夜に紛れて活躍する、3つの流れ星。
私が、見捨てた星の戦士たちだった。

「……浄化したら消えて」
「つれないわねぇ」
「ファイター」

私はきっと初めて、彼女の名前を呼んだと思う。無意識に叫んでいたあったかもしれないけれど、彼女と話すために呼んだのは初めてだった。

「私には、私のやり方がある」
「……まあ、たしかに。目的も違いますしね」
「メイカーは理解が早くて助かるよ」

3人の中では一番頭がいいメイカーが、思ったより早く納得してくれた。そのメイカーの隣にいた銀髪の少女が、大きく肩を上げ下げして、ため息をついた。

「はーー……相変わらず全く変わってないのね」
「変わってたら、もっと仲良くしてたかもね、ヒーラー」
「アル、私はね」
「探してる人は見つかったの?」

ファイターの言葉を遮って私が聞くと、3人は固まった。
化け物は意識をようやく取り戻したようだが、私はロッドに力をため始めた。このくらいの化け物なら、大きな技を使わなくてもすぐに浄化できそうだった。

「アルカイド・カタルシス!」

すぐに光を放つと、化け物は一瞬で浄化された。人間に戻ったおじさんは、まるで引き寄せられるようにベンチに倒れた。様子を見る限り体は元気そうで、10分もしないで目が覚めるだろうという確信があった。

「……痛いとこ突くわね」

ファイターが浄化しきった後に、苦い顔をする。私はにやりと笑った。

「せめて見つけてからにしたら?」
「……腹立つ」
「ヒーラーに同意です。……が、事実ですね。私たちにはやることがあります。行きましょう」

ヒーラーはぴきりと青筋をたてていた。メイカーはさほど表情を変えずに後ろを向いた。

「アル!……私は、貴方と絶対、歌うから」
「歌ぁ?」
「明日から、覚えておいて」
「行くよ!ファイター」
「ええ」

ファイターは逃げるようにそれだけ言って、3人は闇に消えた。私も変身を解いて、シリウスと火神くんがいるところに戻ってきた。

「ただいま」
「誰と話してたんだよ」
「……昔の知り合い。それ以上聞いても何も言えないから」
「…………ハァ。最近そればっかだな」
「これでも火神くんは知ってる方だよ。ね?シリウス」
「まあな。つかもう帰ろうぜ。今日火神のとこ泊まるわ」
「ハァ?!いきなりかよ。なにもねえぞ」
「私ははるかさんのとこ帰るから。シリウスは特になにもしなくて大丈夫だから気にしないで」
「……自由すぎんだよお前ら」

119話「鉛筆で決まる勝負もある」→←117話「二人で寄り道」



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作者名:白咲ナナ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2023年10月22日 1時

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