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112話「話が分かると楽しい」 ページ12

※会話非常に多いです

「はぁ?お前ふざけんな、公式はどこいったんだよ」
「公式?あ、これのこと?忘れてた。それもあり」
「ワシでもここは公式使ったわ。楽やしな」
「でも公式が分からない時ってこの方法で地道にやるしかないと思います。Aちゃんは別として」
「もしかしてお前ら、高一?」
「うん」
「高一のこの時期に、あの模試受けに来たんか?」
「はい。Aちゃんに誘われて」
「別に高一から受けてる人なんてたくさんいるじゃん」
「……はは、今年現役におらんくてよかった」
「キショ」

出てきたドリアやサラダやパスタをそっちのけ、私達4人は問題用紙を広げていた。4人それぞれの文字で書かれた式や答えは、その問題用紙をどんどん真っ黒くしていく。
そしてついに、ジュースを1口飲んだほたるちゃんが、呻き声を上げた。

「…………うぇ」
「どうしたのほたるちゃん」
「どうしたのじゃないよ、Aちゃん」
「ん?」
「もしかしてまた、頭良くなった?」
「…………暇って、いいよね」
「遠い目しないでくれる!?」

そう。ほたるちゃんの言う通り、学はある。いろいろあって。時間を潰すにも、何もかも忘れるにも、勉強は最高だった。
だって、この世界の知識は、飽きが来ないから。

「あ、ご飯来てたわ、話は食べてからにしよ」
「あの、このカカオ100パーセントチョコレートパフェ頼んだの誰ですか?」
「ああ、それ花宮や」
「今吉さんはこの海鮮パスタですか?」
「おん。はいAちゃん、ドリア2つとパスタ2つと唐揚げと……サラダもか」
「ありがとうございます!」
「あみちゃんはこれだよね?パスタ」
「ありがとうほたるちゃん」

次々と来た料理をそれぞれ置いて、食べ始める。私の周りだけたくさん料理があって、目の前の花宮さんはドン引きしていたけれど、気にせず。それより、このファミレス裏名物だと言うカカオ100パーセントチョコレートパフェを頼むとは。

「……苦くないの?」
「これがいいんだよ」

模試会場での怒りはなくなったようだ。細いスプーンでチョコレートを食べながら、話はしてくれるようなので聞いてみた。薄々、気づいていたことを。

「……今更だけど、年上ですか?」
「高二、隣は高三。現役生」
「ごめん、なさい」
「今更だからそのままでいろ」
「ワシも敬語使わなくてええで」
「……助かる。そういうの、慣れてなくて」
「だろうな」
「なんや花宮。随分優しいやん」
「うるせえ」
「痛い、脛はだめやろ」

113話「顔に出やすくなってるらしい」→←111話「胡散臭い、性格悪い、変人、天才×2」



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作者名:白咲ナナ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2023年10月22日 1時

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