薄桜鬼 涙は伸ばした手をすり抜けて〜貴方に触れたくて〜

第20話:意味 ページ21

刀の音が鳴り響く。
私たちは向かい合って静かに、それでも瞳を逸らさなかった。

千鶴)なんで…

A)そんなの私が聞きたいね。

口を開いたのは千鶴ちゃんだった。
その「なんで」と言う言葉の意味は私には分かった。

A)でもその人が死んでも、君が生きてるのなら…意味があるんじゃない？…私の仲間がいぬ死になんて…絶対許さない…

千鶴)…意味…？

A)それを考えるのは自分自身だよ、雪村千鶴…

私が手助けをする理由なんてない。
自分で考えろ。

A)…もうそろそろ終わるかな。

風間たちとの戦いは終わろうとしていた。

A)せいぜい頑張って考えてね。純血の女鬼さん。

千鶴)……

風間)ﾁｯ…また来るぞ。

話の内容は全然聞いていなかったが、風間はまた来るらしい。

沖田)千鶴ちゃん、大丈夫？

土方)…てめぇ、何で出てきた。

A)良いじゃないですか。邪魔なんてしていないでしょう？

平助)そういう問題じゃねぇだろ！！

斎藤)お前はあの部屋から出ることを禁じられている。

土方)勝手にでてくるんじゃねぇ。お前の命は新選組に預かられてんだ。

預けたつもりもないが。

千鶴)…Aさん…

A)はぁ…

いい加減にしてほしいな。
此処にいるだけマシだと思ってほしい。

A)めんどくさい人たち…

私は何度目か分からない言葉を吐いた。

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