薄桜鬼 涙は伸ばした手をすり抜けて〜貴方に触れたくて〜

第9話:心配そうな ページ10

近藤)…それじゃあ、今日からよろしく頼む。えっと…

A)…Aです…影久A…

近藤)影久くん。よろしく頼むな。

名前は容易く教えるものじゃないだろうが、嘘をつくのも面倒だった。

原田)んじゃ、俺たちも自己紹介だな。

飛ばす☆

A)…それでは、よろしくお願いします。

怒りもせず此処にいる私を誉めてほしい。

土方)あと一人紹介する…千鶴、入ってこい。

千鶴)……は、初めまして…

入って来たのは至って普通な、可愛い女の子だった。

千鶴)…雪村千鶴と言います。よろしくお願いします。

千鶴ちゃんは、深々と頭を下げた。

A)よろしく…

別によろしくと言っても大して関わるつもりもない。
ただ単に、この場所の勝手な都合で連れて来られたのだから…

平助)本当に無愛想なやつ…

A)無愛想じゃなくても、何も変わらないでしょう？愛想なんて、意味を成しませんよ。

沖田)……喧嘩売るのほんと上手いね…

A)お褒めいただき光栄ですね…

私は特にこの人とは気が合わないと思う。
いや、合いたくもない。

A)…それで？私はどうしとけば良いんですか？

どうせ…

土方)部屋を一つやる…そこに引きこもっとけ…

予想通りの答えが返ってきて逆に笑える。
引きこもっとけなんて、本当にやりすぎだと思う。

A)はいはい…

千鶴ちゃんは、心配そうな顔で私を見つめる。
赤の他人の私を心配そうな瞳で…

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