薄桜鬼 涙は伸ばした手をすり抜けて〜貴方に触れたくて〜

第23話:意地悪 ページ24

Asay

A)…暗いな〜

当たり前か。
思えば此処に来たときもこんなに暗かったっけな。

A)それにしても色んなことがある場所だな。

それは全て私には関係ないものだけど。
風間千景に雪村千鶴。
西と北の鬼の頭領。

A)……弾き人か…

随分と自分のことなのにしっくりとこない。
長い間自分の役目を果たしていないからだろうか。

A)うん、きっとそうだ。

別に否定したいのではないのだから。

A)あぁ…それにしても…

あの女鬼はどう動くのだろうか。
自分の意思はどう偏るのだろうか。
心に従うか、良心のまま動くか。

A)見どころってやつかな。

いいじゃないか。
暇を潰せるのだから、長い間此処で我慢しているのだから。

A)あとは戻るだけ。

長い長い時間のなかの一部の時間を惜しむのじゃなくて、楽しまなくちゃ。

A)悲しむことも、憎むことも辛いことも…何一つない。

そう、ずっとこの先こうなんだろうって望んでた｡
でも、なかなか上手くいかないね。

神様は｢意地悪｣なんだから。

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