検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:611 hit

ここ、異世界か!? ページ4

しばらくすると、体が地についた気がしたので、そっと目を開けてみた。
「……なんだ、これ……?」
よく状況がのみこめなかった。
……俺の眼下には、俺たちが想像している“異世界”のイメージとは全く異なった、色を失ったような輝きなんてものは全くない世界が広がっていた。
「あの女神が、間違えて変なとこにでも送ったのか……?」
最初はそうとしか思えなかった。
確かに女神は、「モンスターなんてものは出ない」と言っていた。だから、剣も魔法も使えないつまらない世界なんだろうなとは思った。
……でも。ここまでとは思えなかった。
俺は今、丘の上にでもいるのだろうか。街の様子がよく見える。
街とは思えない活気のない景色。人々は一言も言葉を発さず、ただただ誰かに怯えているように生活していた。
人々は金や宝などを抱えて街の南のほうにある大きな宮殿に向かっていた。
そこの宮殿が、街で悪さをしている誰かの拠点なのだろうか?
俺はとりあえず、夜になってから街の人々に話を聞いてみることにした。


夜になった。
相変わらず街に活気はなく、人々は家にこもってひそひそかちゃかちゃと食事をしていた。
「とにかく、何か情報を聞き出さないと……」
俺がふらふらと道の真ん中を歩いていたときだった。
「ちょっと! そこのお兄さん!」
小声で後ろのほうから話しかけられた。
お兄さんって、俺のことか? くるっと首を後ろに回転させると、こっちを見ている女性がいたので、「俺のことか?」と俺の顔を指差した。
すると、後ろにいた女性は「そうよ」と激しくうなずいた。
女性は駆け寄ってきて、
「あんた、こんなところで何してるのよ? 夜に街を歩いてたら、即牢屋行きよ?」
は? 夜に街を歩いていたら即牢屋行きとか意味わからん。
「どうゆう意味ですか?」
俺がぼーっとしていると女性は
「とりあえずこっちに来なさい!」
と俺の手をつかんで木で作られた小屋へつれて行った。

「あんた、家ないの? こんな時間に街の中歩くなんて、頭どうかしてるわ」
女性は俺の顔をじーっと見つめて言った。
「まあ、家がないのは事実ですけど……。なんで、夜に街の中歩いちゃだめなんですか?」
「え? いや、あんたこの世界の人なら理由ぐらいわかるはずよ? 記憶喪失でもしたって言うの?」
そう言ってまた座っている俺の頭の先からつま先まで見つめた。そして、
「あ、あんた!? もしかして、いや、絶対異世界から来た勇者さんじゃない?」
「は? 勇者?」

裏切られた町→←異世界へ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

長月麗(プロフ) - うーん、すごくコメント欄が寂しい…。みなさん、ぜひぜひいろんなコメントしてください! (2017年11月19日 13時) (レス) id: 80c0586c58 (このIDを非表示/違反報告)
長月麗(プロフ) - なんか本当に更新遅くてごめんなさい… (2017年11月17日 22時) (レス) id: 80c0586c58 (このIDを非表示/違反報告)
長月麗(プロフ) - 100hitありがとうございます! (2017年10月21日 18時) (レス) id: 80c0586c58 (このIDを非表示/違反報告)
長月麗(プロフ) - あと、文章の書き方を編集したので「設定(^◇^)」と「親友の死」が更新されています。内容は変わってないです。(設定は主人公の名字だけ追加してます) (2017年10月20日 17時) (レス) id: 80c0586c58 (このIDを非表示/違反報告)
長月麗(プロフ) - 更新遅くなって本当にごめんなさい! 言い訳をすると今回のお話(異世界へ)が長めだったので、テスト中は更新する暇がありませんでした… (2017年10月20日 17時) (レス) id: 80c0586c58 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:長月麗 | 作成日時:2017年10月12日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。