【うたプリ】短編 書いてみたかったんです

甘いkissを君に(藍ちゃん)バレンタイン2020 ページ9

「 Aって、普段からチョコを食べてる時が多いけど・・・欲求不満なの？ 」

「 えっ？よ、よ、欲求不満！？ 」

返答は妙にひっくり返った声と、極端に上昇した心拍数。変な事を言ったつもりはないんだけど。求めていた答えには程遠い。
　それを聞いていた、嶺二や翔は動きを止めてしまってる。

「 ちょ、ちょっとアイアイ！？ 」

「 藍！？ 」

練習を繰り返す内に大量になってしまったからと。何の練習かと思えばバレンタインのチョコを作る練習だと笑っていた。
　食べてみて欲しいって言う、Aが余りにも必死で試しに食べてみた。
美味しいと思う。って伝えたら、不安そうな表情から凄く安心した表情になった。
　だから、今まで不思議だと思っていた事を聞いてみただけ。

「 ちょっと、藍こっちに来い 」

「 なんなの？ 」

翔に引っ張られる様に席を立った。嶺二も一緒について来て、３人でレッスン室を後にした。

「 ちょっとアイアイ！？アレはまずいと思うよ？ 」

何がそんなにマズかったのか、嶺二は頬っぺたを掻きながら、あらぬ方向を見てる。

「 藍・・・なんであんな事聞いたんだ？ 」

「 別に・・・。ただ気になっただけ。Aは、チョコを食べてる頻度も多いし。チョコが、口の中で溶ける感覚はキスの4倍以上の幸福感があるって医学的なデータがあるんだよ。頻繁にチョコを食べる人は欲求・・・ 」

「 あー。っ分かった！？もう！それ以上言うな！それにな藍、あんなに大量に練習するって事は、そんだけ好きな奴がいるって事だろ 」

「 そうだね。それにアイアイ、女の子にあんな事聞いちゃダメだよ。女の子はチョコが好きな子も沢山居るからね、世の女の子は皆んな欲求不満って事になっちゃうでしょ？Aちゃんに嫌われちゃうよ？ 」

「 好きな人が・・・。 嫌われる？ 」

　よく分からない感覚があって、その言葉をもう一度再生してみる。
・・・胸がズキっと痛いような。
左手で胸を押さえてみても、鳴るはずのない鼓動に自分の手を凝視した。

「 言いたい事は分かった・・・。僕のデリカシーの無い発言でAが傷ついたかも知れない。そうゆう事でしょ？ 」

「 おい！ちょっと待てよ。藍！ 」

バレンタインって不思議な習慣だと思う。色々な意味合いはあるけど、チョコを渡すのは日本独自の文化。チョコについても調べたら医学的データもあって興味が湧いた。
Aを、傷つけるとか嫌われるなんて予想もしなかった。

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