【うたプリ】短編 書いてみたかったんです

癒し効果【藍ちゃん】 ページ22

「 Aなんかあったの？ 」

「 うーん。なんでも無い・・・藍ちゃんに、くっついてるだけで癒される 」

「 それって、やっぱり何かあったって事でしょ？ Aが何も言わないで抱きついて来る時って、落ち込むような事があった日って決まってるんだよね 」

「 何を根拠に？ 」

「 僕のデータだよ 」

「 ハイスペックの無駄遣い・・・」

「 Aに関する事は有効活用 」


他の人が聞いたら、驚くんだろうな。って思う。でも、藍ちゃんは至って真剣だ。
声を聞いたらそれだけで安心するのに。まったく無意識の行動だと思う。作業をしてた手を止めて「おかえり 」って言ってくれた、藍ちゃんに抱きついてしまった自分が、妙に恥ずかしくなってきた。

「 大丈夫！元気出たから 」

「 そう？Aって普段、そんなに甘えたりして来ないから、僕じゃ頼りないのかと思ってたんだよね 」

「 えっ、？藍ちゃんを頼りないなんて思った事ないよ！藍ちゃんを頼りないなんて思ったら普通の人どうなっちゃうの？大変だよ 」

「 他の人がどうとかって問題じゃないんだけど。ほら、そうやってすぐ逃げようとするでしょ？ 」

離れようとした腕を引っ張られて、距離がまた近くなる。藍ちゃんの肩に手を置いたから少しだけ、藍ちゃんに見上げられてる感じがなんか不思議。髪の毛に触れて頭を撫でてみたら、少し不機嫌そうな藍ちゃんと目が合った。

「 子供扱いしてる？ 」

「 してないよ。藍ちゃんに頭撫でてもらえると嬉しいし、安心するから藍ちゃんもそうだったりするのかな？って」

だったら良いな。って思うんだけど。

「 ダメ？ 藍ちゃんの髪サラサラしてて気持ちいいし」

「 ・・・別にいいけど 」

嫌がってはいないけど、頬っぺたが少し膨れてて可愛いなって思ってしまう。怒らせちゃうだろうから口には出せないけど。

「 何笑ってるの？ 」

「なんか、 嬉しくなってきちゃって 」

「 そう？じゃあ、良かった」

そう言って、藍ちゃんに抱きしめられたけど
胸の辺りに藍ちゃんがピッタリくっついちゃってるから、ちょっと困る。

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