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56:始まりに過ぎない ページ6

ーYou sideー

絵を描いていると
不意に、病室の扉が開いた


「……起きんの遅すぎ」

『今回ばかりは危なかったわ』


黒の髪が後ろにまとめられて
でも、ボサボサだ

場地はイスにどっかり座り込むと
数週間、そう、数週間振りに起きた
俺の顔を見て、ニヤつく



『なに笑ってんだよー、場地ぃー』

「はは、いやぁ?お前が起きたのが嬉しくてよ」

『……あっそ』



なにその急なド直球モード
小っ恥ずかしくなって
俺は紙に目線を戻した



「一虎は」

『うん』

「数年、ムショから戻んねぇって」

『……そっかぁ』



ま、仕方ないか

帰ってきたらたくさん
お祝いしてあげよう

おかえり一虎って
言ってあげたいな



「芭流覇羅は東卍の傘下に着いた」

『マジ?』

「テメェは変わらず、伍番隊だとよ」

『へぇ』



伍番隊

一体誰がいただろう
てか、あの半間さんが
芭流覇羅が傘下に着くことを許したって
中々すごい事だなぁ、



『じゃあまた、総長って呼ばないとね』

「そーだな。俺も、壱番隊の構成員に逆戻り」

『え?じゃあ壱番隊隊長は……?』


「俺です、A君」



場地の後ろから
一人の影が見えた

思わず息を飲む



『花垣君!』

「じゃ、俺は帰るわ」


場地が去っていって
花垣君は、目に涙を溜めながら
嗚咽混じりに話し始めた



「俺が、無茶なお願いしたせいでッ……ごめんなさい!」

『いいのいいの!!むしろ頼ってくれてありがとう!!
今場地が生きてんのも、一虎が生きてんのも
そして俺が生きてんのも、お前のおかげだよ』

「A君ん"ん"んん"ん」

『あははは!泣くほどぉ?』



布団に顔を埋めて泣く花垣
そんな彼の頭を、くしゃくしゃに撫でる

全く、可愛い後輩が増えたものだ

彼に未来を教えてもらえなければ
俺は、一虎は、場地は

この世にいないだろう



『未来は、変わったのか?』

「ズビッ……ッまだ、見てないれ"す"……」

『変わってたら良いね』

「はい!」



この時、俺は想像もしていなかっただろう



『(俺も、早くマイキーと仲直りしねぇとな)』



幸せだと思ってた日常は
いとも簡単に壊れていくものだと

全ての記憶を取り戻した時
知らない方が良かったことを知る、辛さを
真実というものは、無情にも

突きつけられるものなんだと


「A君……?」

『んー?』

「これからも、協力って…してくれますか?」


俺にも未来が見えたなら


『もちろん!』


きっと、君たちと_______________

57:伍番隊→←55:秘密



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鳳夏 - なんかすごいことになっちゃった😫主人公君天竺に行っちゃうんだ😲更新頑張ってください!応援しています🎌 (2021年10月3日 20時) (レス) @page50 id: 1af6bcdd02 (このIDを非表示/違反報告)
- 天竺編めっちゃ楽しみです!! (2021年10月3日 8時) (レス) @page50 id: 0340ae7b1d (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - えっ、そういうことなの。もしかして今後天竺の話になると最悪展開になるんじゃ…主人公とマイキー達の間にまた…😭 (2021年10月3日 2時) (レス) @page50 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
stgy - 1話1話、涙が止まんない… (2021年10月2日 19時) (レス) @page46 id: 05b8f4c815 (このIDを非表示/違反報告)
ソウカ(プロフ) - めっちゃ大好きです!!! (2021年10月2日 12時) (レス) @page43 id: e5218f93f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんじゅうLv99 | 作成日時:2021年9月20日 9時

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