98:堕ちていく ページ48
ーYou sideー
ゆっくりと目を開ける
確か、隊長と話してて
後ろから誰かに殴られたような
朦朧とする意識の中
ぼやける視界が
次第に晴れていく
大きな影が
オレの傍に落とされた
『隊長…?』
「……起きたか、A」
椅子から立ち上がろうとすれば
バランスを崩し、そのまま倒れてしまって
手足が縛られているようだ
隊長はオレを優しく
椅子ごと起き上がらせると
子供の目線に立つような
またはあやす様に
オレの前にしゃがみ込んだ
「オレはオマエに乱暴したくねぇ。
だから、隊長の言うこと聞けるよな?」
『?』
「 " 東卍から寝返ろ、A " 」
『……は?』
いや、は?
一気に覚めた目が
素早く彼の目を捉える
マジで何を言ってんだ
俺、アタマついにおかしくなったか?
『なに言ってんすか、隊長……』
「裏切れってことだ。
まぁ断るなら、コッチだってそれ相応の手段は取らせてもらう」
『ッ……どんなに殴られたって、引きませんから』
「オレはオマエの隊長だぞ?そんなこと、分かってる」
彼は不気味に口角を上げると
とあるモノを、目の前に出した
見覚えのあるノート
あれはオレの、
『なんでアンタが、そんなもん持って……!?』
「A、まさかオマエがこんなこと知ってたなんてなぁ。
ご丁寧に詳しく記されている。さすがだな」
『中……見たんですか?』
「あぁ、これは " 天竺 " の中でも議題に上がっている。
そしてオマエは、あの無敵のマイキーに対抗できる
数少ない " 黒川イザナ " の駒になるんだよ」
天竺?
黒川イザナ?
また知らない名前が
苛立つほどに耳に入る
めんどくせぇ
なにが対抗できる数少ない駒だ
『この野郎…』
「このノート、オレらはどうとでも出来る。
記されている情報も、何もかも。
オレの言ってること、理解出来るよな?
頭の良いオマエなら分かるはずだ」
『……消すことも、ですか』
「もちろんだ。
オマエには何かと恩がある。
手柄によってはイザナに話をつけてやってもいい」
あのノートは
みんなが思ってるより
かなり重要なもの
使い方を誤れば
未来を壊すことだって有り得る
『……条件が、あります』
「なんだ?」
『絶対にソレを、これ以上…他の人に見せないでください』
「……」
これがオレに出来る
たった一つの抵抗
「分かった。行くぞ、三途、A」
「ちっ、手こずらせやがって」
『……。』
" これも、アイツらを守るため "
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鳳夏 - なんかすごいことになっちゃった😫主人公君天竺に行っちゃうんだ😲更新頑張ってください!応援しています🎌 (2021年10月3日 20時) (レス) @page50 id: 1af6bcdd02 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 天竺編めっちゃ楽しみです!! (2021年10月3日 8時) (レス) @page50 id: 0340ae7b1d (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - えっ、そういうことなの。もしかして今後天竺の話になると最悪展開になるんじゃ…主人公とマイキー達の間にまた…😭 (2021年10月3日 2時) (レス) @page50 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
stgy - 1話1話、涙が止まんない… (2021年10月2日 19時) (レス) @page46 id: 05b8f4c815 (このIDを非表示/違反報告)
ソウカ(プロフ) - めっちゃ大好きです!!! (2021年10月2日 12時) (レス) @page43 id: e5218f93f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まんじゅうLv99 | 作成日時:2021年9月20日 9時