【男主】過去の俺が何したって言うんだ：２【東リべ】

５１：贖罪 ページ1

ーbj sideー

５０人を相手し
やっとこの事で頂まで上り詰める

割れた鉄パイプの先端を
稀咲の喉に突きつけた



「稀咲ィ…チェックメイトだ」

「やれるもんならやってみろ」



こんな絶望的な状況なのに
なぜコイツはこんなにも余裕なんだ？

まぁいい、コイツさえやれば

後はAを_______________



「A君！！しっかりしてください！！」

「！？」



千冬の悲痛な叫び声
思わず下を見下ろせば



「場地さん……A君が、息…してないですｯ！！」



Aは息をしていない……？

千冬の服さえも血を吸わなくなり
辺りは血溜まりが出来ている



「チェックメイトはどっちだろうなァ」



稀咲よりも、Aの容態が心配だ
俺は来た道を急いでかけ下りる
場合によっては、この抗争捨てて

病院連れてくしか……



「場地さん！！」



あぁダメだ、絶望的なのはコッチじゃねぇか



「ｯ……千冬、心臓は！？」



千冬がAの胸に耳を付ける
頼む、動いてくれ

頼む、まだ言いたいことが
やりたいことも、いっぱいあんだよ



「やっぱヤベェ奴だな！一虎は！

そうか！場地を芭流覇羅に引き抜いたのも
Aを誘い込んだのも、こうやって寝首をかくためか！


_______________ねぇ、総長？」




マイキーお前は、

Aを、どうする気なんだよ



―――

ーマイキー sideー


別に、Aが死んでもどうでもいい

そう思っていたのに
何故か俺の胸の中は
黒いドロドロとした何かでいっぱいだった


「A君、ｯ起きてください……！！」


場地を庇ったA
一体何を考えてんのか分かんねぇ

"『兄さん……ごめんなさい』"

Aの小さな背中が、脳裏に蘇る

"『マイキーにあんな顔させて、ごめんなさい』"

兄貴の葬式の時
Aはただ無表情に俺の背中を撫でた
でも、人があまりいない所で、ただ独り

わんわんと声を上げて泣いていた
Aは泣くところを人に見せない
だから、Aを泣かせた一虎を

俺は、



「殺したかった。ずっと。

一虎が年少から出てきたら
真っ先に俺が殺そうと思ってた

そんな俺を諭し続けてくれたのが、場地だった
そんな俺の代わりに怒ってくれたのは

……Aだった。」



"『ぶっ殺してやる！！一虎ァ！！』"

"「A！！一虎死んじまうぞ！！」"

今思えば、Aが一虎に殺意を向ける理由は
兄さんの他に、俺が弱かったからなのかもしれない

俺が、


"『また、海行きたいね』"


Aを傷つけたから

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