ぷりんすなお姫様 ２【すとぷり】

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私はもうどうすればいいかわからなくて、

頭がぐちゃぐちゃに混乱して、

息も荒くなって、

何が何だか把握できない。

私達が当たり前に使っている言語が
凶器にしか思えない。

痛い。

A「…はぁ…っ…は…ぁっ」

必死に理性を保って、
どうにかして正気を取り戻そうとする。

そうだ、私には応援してくれているリスナーさんが
たくさんいる。

"がんばれ"、"大好きだよ"って言ってくれる人が
たくさんいる。

いつもその言葉に励まされていたのに、

"やめればいいのに"

その一つの言葉に覆われて
見たい言葉が見つからない。

とりあえず落ち着かなくちゃ。

自分が自分じゃなくなる感覚が、すごく怖い。

瞳を閉じて深呼吸。

大丈夫。私は大丈夫。

だって私には、家族と、友達と、リスナーさんと、

何よりすとぷりメンバーがいるんだから。

A「……っ」

ちがう、だめだ。

メンバーに迷惑がかかる。

火がどんどん燃え移っていく。

A「あ」

"やめればいいのに"

そうだ。

やめればいいんだ。

私が活動してるからこんなことになるんだ。

私がやめれば、
私を嫌う人は幸せになるし
メンバーにも迷惑がかからない。

A「…」

私だけが辛い思いをすればいいんだ。

瞳から涙が零れそうになったとき、
掌の中にあるケータイが静かに振動した。

画面を見ると、なーくんからの着信を知らせる表示があった。

溜まった涙をふく。

A「もしもし」
ななもり『大丈夫？』

だめだ、どんどん視界が滲んでいく。

A「…っ」
ななもり『…今から家行くね』

静かで落ち着いた声。

私、今からなーくんに捨てられるんだ。

A「了解です」

声が震えないように、そこだけを意識して
会話を終える。

力が抜けた私の手から
ケータイが滑り落ちて、

地面に触れて軽い音を出す。

顔、きれいにしなきゃ。

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