ぷりんすなお姫様 ２【すとぷり】

痛み ページ25

どうしよう、
もう無視できない。

できるだけ落ち着いて。

深呼吸して。

自分の気持ちを整えるの。

頭を整理するの。

私なら堪えられる。耐えられる。

言い聞かせて、言い聞かせて、

溢れだしそうな感情を抑え込んで。

A「……っうう、」

だめだ。
キャパオーバー。


朝、通知が酷くて起きた。

何事かと思って見てみると、

私がこの前Twitterに
誤って絆創膏を張らずに撮った写真を
投稿してしまって、

紅い印が確認できてしまって
軽く炎上していた。

リプには当たり前のようなアンチコメント。

たくさんのリツイート。

アンチの内容は私のリスナーさんからだけでなく
ただ騒ぎを聞いた野次馬が
私に傷をつけるためのものが多かった。

A「え、え…っ」

"キスマークはすとぷりメンバーにつけられたもの"

"いや、普通に彼氏じゃないか"

"彼氏だったとしたらメンバーのことなんだと思っているのか"

"メンバーとの匂わせが多い"

"注意が足りない"

"女一人と男大人数で旅行行くとかありえない"

…そんな意見がたくさん来ていた。


そして今に至る。

どうしよう、どうしよう。

こうやってただ見ている瞬間も
拡散が重なっていく。

ツイートを消す？

でもそうしたら認めることになる。

すとぷりメンバーにも
その内容でDMなどが殺到するだろう。

これは私が直接言うしかない。

でも言えない。

莉犬くんだって言えない。

でも言わなかったら他のメンバーにも
迷惑がかかる。

言ったとしたら莉犬くんに迷惑がかかる。

どちらにしても私の不注意のせいで、
みんなの活動に支障がでる。

だめ、絶対にだめ。

その時目についたリプ。

"なんでこいつがすとぷりメンバーなの？"

一つ見つけてしまうと、もう止まらない。

それはもう、私にもわからないし、
ずっと引っかかっているものだから。

"すとぷりに必要ない"

"一人だけ浮いてる"

そんな意見があること、わかってる。

一緒に活動しようって決めたときから
わかってる。

でもだめだ。

文字が浮き出して私の視界に入ってくる。

"Aなんか、やめればいいのに"

"やめればいいのに"

"やめればいいのに"

やめればいいのに。

A「…やめればいいのに……っ」

わかった、わかった、

もうわかったから。

やめればいいのはわかった。

どうにかして落ち着かせようとしてるけど

手の震えが止まらない。

いやだ、やめて。

"やめればいいのに"

いやだ、やめたくない。

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